日本共産党の志位和夫委員長は2日、東京都内で会見し、記者団から東京五輪・パラリンピックの無観客開催について問われ、「首相などが『無観客開催もありうる』と言わざるを得なくなっているのは、状況に追い詰められ苦しくなっている表れだ。私たちは『観客を入れた五輪開催などとんでもない』と言ってきた。また、『子どもたちを五輪に動員するな』という怒りの声が湧き起こり、都内でも各地で中止が決まっている。こうした国民・都民の批判の声の高まりに追い詰められつつある」と述べました。
そのうえで、「観客を入れた五輪は論外だが、無観客なら問題が解決するかといえば、そうは決してならない」と述べ、開催すれば海外からウイルスが持ち込まれる危険や、国内の人流が拡大する危険が高まり、どんな対策を講じても開催による追加リスクはゼロにできないと専門家も認めていると指摘。「都民や国民の皆さんの命を守る最良の方法は開催中止しかない。いよいよそれが明瞭になってきた」と強調しました。
最終盤情勢
志位委員長は、都議選最終盤の情勢について問われ、「多くの選挙区で当落線上の大激戦、大接戦となっている。今日、明日の頑張りで勝敗が決まる。最後まで頑張りぬいて、ぜひとも躍進をかちとりたい」と述べました。
野党連携
志位氏は、都議選における野党共闘の状況について問われ、日本共産党と立憲民主党は1人区、2人区、3人区の一部で候補者調整をしており、「小池書記局長は昨日武蔵野市に応援にうかがいましたが、立憲民主党の側からも、さまざまな形で私たちの候補者への応援をいただいています」と言及。「各所で良い協力関係がつくられてきていると思います。ぜひ成功をおさめたいと願っています」と強調しました。
中国共産党
中国共産党創立100周年について問われた志位氏は、「中国が行っている東シナ海や南シナ海での覇権主義的な行動、香港やウイグルに対する人権侵害は、社会主義とは無縁であって、共産党の名に値しない」と強調。また1日の習近平国家主席の演説には「中国共産党は覇権主義と強権政治に反対する」という発言があったことについて、「東シナ海、南シナ海でやっている行動は覇権主義そのものではないか。香港、ウイグルなどに対する人権侵害は強権政治そのものではないか」とのべました。
(2021年7月3日付「しんぶん赤旗」より)