外環道工事 被害住民連絡会が初総会

適正で完全な補償要求

「工事再開によるこれ以上の被害を住民は絶対に受け入れられない。適正かつ完全な補償を」―東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事で被害を受けている東京都調布市の住民でつくる「外環被害住民連絡会・調布」が1月31日、第1回総会を開きました。

昨年10月、地下トンネル工事ルート上の住宅街で道路が陥没し、現在、地中に3つの空洞が見つかっています。住民は11月に連絡会を立ち上げて活動してきました。ネクスコ東日本は工事との因果関係を認めて謝罪しましたが、連絡会の質問書やデータ提出要求にこたえていません。

総会では共同代表が経緯や”地盤破壊”の現状を報告。共同代表の一人、滝上広水さんは「工事再開への動きが始まる大事な時期。この地域のことを一緒に考えてほしい」とよびかけました。

東京外環道訴訟の原告弁護団でもある武内更一弁護士が被害回復に向けての考え方について講演。武内氏は、予見可能な事故を起こした事業者(国、ネクスコ東日本、ネクスコ中日本)に100%過失があり、住民は一方的な被害者だと強調。事業者には完全な現状回復の責任があるとのべ、住民がどうすれば良いかを具体的に話し、質問にも答えました。

会場からは「ネクスコの『相談窓口』で苦情を訴えたが返答がない。団体で交渉するのが一番だ。住民の意思をポスターやのぼりでアピールしてはどうか」などの意見が出されました。

(2021年2月3日付「しんぶん赤旗」より)