「希望の政治へみんなと」 参院選 再選の吉良氏が決意

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 21日投開票された参院選で、東京選挙区(改選数6)に立候補した日本共産党の吉良よし子候補(36)は70万6532票(得票率12・28%)を獲得し、3位で激戦を勝ち抜き再選を果たしました。

比例代表(改選数49)で共産党は、東京で65万1338票(得票率11・3%)を獲得。東京を活動地域とする小池晃書記局長(59)が4選を果たすなど4議席を獲得しました。
 「やったー」「おめでとう」。午後8時半、渋谷区代々木の事務所に再選を決めた吉良氏が姿を見せると、待ち受けていた「キラ☆キラサポーターズ」(吉良氏を応援する勝手連)のメンバーら支援者が大きな歓声と拍手で迎えました。
 大勢の若者が吉良氏を囲み、パンパンとクラッカーがにぎやかになる中、万歳を繰り返し、笑顔いっぱいの喜びがはじけました。割ったくす玉から、「祝当選 くらしに希望を!」のミニ垂れ幕が飛び出しました。花束を渡した女性と抱き合い、涙を流し合う場面もありました。

 大勢の報道陣の前で記者会見に臨んだ吉良氏は、「6年間、ブラック企業問題や就活セクハラなど様々な声を届ける活動を続けてきたことが評価されたと思う」と選挙戦を振り返り、「声を届けてほしいという願いが、大きな勝利につながった」と強調。
その上で「これからも十人十色の人生を大切にされる社会を目指して、一歩一歩みなさんと手をつないで歩んでいきたい」と決意を語りました。
 希望の象徴としてポスターにも使われたガーベラの花束を渡したサポーターズメンバーの並川聡子さん(37)=会社員=は「ブラック企業に勤めていた経験もあるので、吉良さんには労働法制をよくして、8時間働けば普通に暮らせる当たり前の社会にしてほしい。これからも応援します」と期待を込めました。

野党候補は2から10人に 1人区 一本化が大きな成果
 日本共産党は首都圏の選挙区では、東京で吉良氏が再選した他、埼玉(改選数4)で伊藤岳氏(59)=新=が初当選し、21年ぶりに議席を獲得。2人区の京都で倉林明子氏が激戦を勝ち抜き再選を果たし、計3議席を獲得。比例区では、小池氏をはじめ4議席を獲得しましたが、改選から1議席の後退となりました。同党の議席は非改選を含め13議席。

 共産党が次の総選挙への出発点とした2017年総選挙での比例票440万(得票率7・90%)と比較すると、今回の比例票は448万(8・95%)、東京でも約61万票、10・37%から今回の約65万、得票率11・3%へとそれぞれ前進し、総選挙躍進への足がかりとなるものです。
 また、3年前の前回に続き32ある1人区全てで擁立した野党統一候補は、前回11議席と並ぶ10選挙区で勝利。改選2議席から野党統一候補が5倍に増えました。
 一方、自民党は57議席で改選時より10議席後退。憲法改正に前向きな公明、維新を合わせた「改憲勢力」が3分の2を割り込みました。小池晃書記局長は「野党一本化の大きな成果だ」と指摘しました。  (長沢宏幸)

野党統一 候補躍進 改憲許さずの民意示す「共闘の要、共産党大きく」
 参院選が投開票された翌22日、日本共産党の小池晃書記局長(比例候補)、吉良よし子参院議員(東京選挙区候補)、原純子都委員会常任委員(比例候補)が新宿駅西口で、選挙結果を報告する街頭演説に立ちました。
田村智子、山添拓両参院議員、笠井亮、宮本徹両衆院議員、池内さおり前衆院議員が参加し、駆けつけた支援者らが声援を送りました。

 大山とも子都議が司会。マイクを握った小池氏は、寄せられた支援に感謝をのべた上で、32の全ての1人区に野党統一候補を擁立した結果について、6年前に勝ったのは2県しかなかったのが、自民党との一騎打ちで市民と野党の共闘によって7人の現職を落とし、10選挙区で勝利することができたとし、「躍進させていただくことができた」と報告。
比例では2017年総選挙に比べ、共産党は全国、東京ともに得票、率とも伸ばし、次の選挙への足がかりができたとし、「比例で5から4議席に減らしたのは残念だが、比例の到達をさらに伸ばせば、次の総選挙でさらに躍進することができる」と強調しました。

 一方、自公とも比例票を大きく減らした結果「参院で自民党、公明党、維新の党の改憲勢力が3分の2の議席を失うことになった」と指摘。「安倍政権は参院で国民は3分の2の確保を許さなかったという民意を重く受け止めるべきだ」と訴えました。
 その上で小池氏は、共産党は減らない年金、消費税ではない別の財源をつくり暮らしを支える希望の日本をつくる、8時間働けば普通に暮らせる安心の社会保障の実現など、引き続き公約実現に向けて全力をあげると表明。
「安倍政権に厳しく対決し、どんな問題でも国民の立場に立って解決の道を示し、政権の暴走を止める確かな力、市民と野党の共闘に一貫して献身している共産党を強く、大きくしてほしい」と呼びかけました。