都議会第4回定例会終了にあたっての大山とも子・共産党都議団幹事長の談話

都議会第4回定例会(12月1日~12月15日)が閉会しました。
閉会にあたり、日本共産党都議団の大山とも子幹事長が発表した談話を転載します。⇒都議会サイト


2017年第4回定例会を終えて

2017年12月15日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

今定例会でわが党は、総選挙での知事の行動、および都政での重大な問題点をきびしく質すとともに、都民要求実現に全力をつくし、多くの成果を得ることができました。

1. 総選挙での行動への本質的反省がない

 総選挙では、知事が都政で得た「人気」に乗じて希望の党を立ち上げました。この党は、都政では封印してきた9条をふくむ改憲の推進と安保法制を容認する、安倍政権と変わらない右よりの政策を掲げ、その政策を踏み絵にして野党の分断を図りました。その結果、窮地にあった安倍政権を助け、自民党が過半数を占める結果を招きました。わが党は、「反自民」を売り物にしてきた知事の責任を質し、今後、改憲推進の姿勢を都政に持ち込まないよう、きびしく求めました。
 知事は、「信念に基づいて行動した」「知事として都民のためになすべきことをしていきたい」と答えるにとどまり、総選挙で何をしたのか、都政では、市場移転の延期や待機児童解消など、わが党もいっかんして追求してきた施策を実施することで得た都民の期待を裏切るものだったという自覚、本質的反省は示されませんでした。これでは、都民の信頼を回復することはできません。

2. 国保料(税)軽減へ都独自の財政支援が今こそ必要

 来年4月から全国的に実施される国保制度見直しへの対応についても、きびしく質すとともに、保険料軽減への提案を行いました。
 国は、制度見直しを機に、区市町村が保険料軽減のために行っている一般会計からの繰り入れをなくし、徴収強化を進めるよう求めていますが、都の対応は国の方針どおりのものです。これでは、いまでも重い負担となっている保険料のさらなる大幅値上げにつながり、多くの都民の生活破壊を招くことは明らかです。一般会計の繰り入れがない場合、都の試算でも来年度の保険料は昨年度に比べ一人当たり平均、年額約3万4千円も上がります。
 制度見直しにより、東京都は区市町村とともに保険者として国民健康保険の財政運営に責任を負うことになります。わが党は、区長会、市長会などが要望している、都の新たな責任にふさわしい独自の財政支援を求めましたが、知事はこたえる姿勢を示しませんでした。
 子どもの多い世帯に対する負担軽減や子どもにかかる均等割保険料の軽減をはじめ、保険料の負担増にならないための都独自の財政支援の実施を、引き続きつよく求めていきます。

3. 大きな矛盾に追い込まれている市場移転問題

 知事と都民ファーストの会は、都議選で「都民の食の安全と安心を守ります」と公約しましたが、都議選後、この公約はどこへ行ったのかと思わせる行動ばかりで、大きな矛盾に直面しています。第1に、市場業者の納得も合意も得られていません。多くの市場関係業者から移転反対の声が上がっています。 
 第2に、豊洲新市場の追加対策工事は入札不調が相次いでいます。地下水管理システムの機能強化工事を落札した3件では、清水建設の落札率はなんと100%、平均落札率も99.9%におよびます。予定価格は、ゼネコンの要望をふまえて当初の1.4倍にも引き上げられました。そのうえ知事は今日の記者会見で、残された1件の契約について、価格が高くなる特定の企業を指定する特命随意契約への切り替えまで表明しました。まさにゼネコン言いなり、石原知事以来3代の知事と同じ愚を繰り返しています。
 築地市場についても知事は、都議選が始まる直前の記者会見で、新たな市場として東京を牽引する一大拠点にすると明言しました。有言実行を求めた質問に小池知事は、記者会見での発言は「大きな方向性」だとか「一つの考え方として示したもの」などと述べ、都議選後の関係局長会議で方針変更したことを認めました。都民への背信行為です。
 築地再開発の具体案についても、都議選前の記者会見で知事は、事業者や都民とのオープンな場を設けて検討すると表明しましたが、都議選後設置された検討会議に市場業者は入っていません。これも重大な約束違反です。
 知事は、わが党の代表質問に、「脈々と築き上げてきた築地ブランドは東京の宝物である」と答弁しましたが、そう言うなら、五輪の駐車場にするために築地市場を更地にするようなことはやめ、築地市場、築地ブランドを守り抜くことが必要です。

4. 黒塗り重要情報の全面開示を

 東京五輪の選手村用地は、近隣の基準地価の10分の1という安値で民間デベロッパーに売却しました。およそ1200億円もの優遇です。この問題で小池知事に情報公開請求をしましたが、どのように価格評価したのかという肝心の情報は真っ黒の黒塗りです。
 代表質問で、黒塗りをはずして全面公開するよう求めましたが、知事は答えませんでした。都合の悪い情報は隠しつづける態度は、改革の1丁目1番地が「情報公開」だという知事の最大の公約と逆行しています。直ちに全面公開すべきです。

5. 都民要求実現に全力をあげ多くの成果

 わが党は都民要求の実現に全力をつくしました。その中で、木造住宅耐震助成の対象地域の拡大、水害対策のための「大規模氾濫減災協議会」の年内設置、子ども食堂への支援、子どもの貧困対策、保育園整備に対する都有地活用、介護離職対策、医療的ケアを必要とする子どもの通学保障、障害者医療助成の精神障害者への拡大など、重要な前向きの答弁がありました。 
 引き続き、来年度予算編成にむけ、不要不急の大型開発を見直して、福祉・くらし・教育をはじめとした都民施策の拡充が実現できるよう全力をつくします。

6. 都議の期末手当据え置き条例を提案 議会改革に全力

 わが党は、かがやけTokyo、生活者ネット、日本維新の会とともに4会派共同で、議員の期末手当を据え置く条例を提案しました。現行制度では、職員の期末手当の引き上げに連動して、議員の期末手当も引き上げとなりますが、引き上げをせずに据え置くものです。
 都民ファーストの会は、「職員の給与に連動するのはルールであり踏襲するべき」などとして自民党、公明党などとともに反対しましたが、今年4月に実現した議員報酬の2割削減に続き、さらなる議会改革を進めようとしている中で、議員の期末手当を引き上げることは、議会改革への姿勢と初心がきびしく問われるものです。
 議会改革では、政務活動費での飲食の禁止、常任委員会のインターネット中継、公用車利用の縮小、議会棟の全面禁煙などの改革が進み始めました。
 日本共産党都議団は、躍進した力で、都民の切実な要求の実現、そのための都政の改革と都議会改革を進めていきます。

以上