都心上空を飛行する羽田国際空港機能拡張計画の中止を

2017年5月29日

日本共産党東京都委員会は、羽田空港の機能拡張計画に関する政策を発表しました。


都心上空を飛行する羽田国際空港機能拡張計画の中止を

いま、東京では、2020年東京オリンピックに向けて、羽田国際空港から離発着する国際線航空機の増便をはかるために、都心上空を飛ぶ飛行ルートを新設する機能拡張計画がすすめられています。

国土交通省が昨年夏に発表した計画によれば、あらたな飛行経路での離発着は毎時90回(南風時15:00~19:00、北風時07:00~11:30、15:00~19:00、切替時間含む)とされ、空港周辺の大田・品川、江東の各区にくわえ、都心の港、新宿、目黒、渋谷の各区、さらには中野、練馬、豊島、墨田、荒川、足立、葛飾、江戸川の周辺区の上空を飛行することとなります。このため、新宿区あたりで900m前後、渋谷区付近では600m程度、空港直近の品川区八潮地域では、高度(南風着陸時、44機/時)はわずかに210mから240mになります。騒音は「幹線道路際、掃除機、騒々しい街頭」に相当し、品川区大井では地下鉄の車内並みに達することとなります。その騒音被害は現行ルートの下でも発生しており、悪天候時に飛行機が低空で飛ぶ江戸川区では、多くの住民が耐えがたい騒音に苦しめられているのです。

また、航空機事故の8割は、「離陸後の3分と着陸前の8分の間」に起きています。800万人を超える都民が生活し働いている都心で墜落事故が起きた場合その被害は計り知れません。くわえて、航空機の部品や上空で付着する氷塊の落下の危険、騒音による脳卒中・心臓疾患など健康被害も報告されています。

そもそも羽田空港の航路は、騒音被害や石油コンビナート災害を避けるために、住民、関係自治体との合意にもとづいて、都心の住宅地から東京湾の上空に変更され、今日に至っているものです。今回の機能拡張計画は、石原慎太郎元知事が2020年オリンピック招致対策としてうちだし、アベノミクスの景気対策の一環として急浮上したものです。しかも、住民、関係自治体の合意もなく、一方的な「説明会」の開催で新設をすすめるやり方に多くの住民が反対の声をあげるのは当然です。

いま、すべきことは、東京一極集中をさらにすすめる羽田空港の増便ではなく、地方と共生するかたちの航空政策にほかなりません。この点で、国は、「あらゆる方策を技術的に検討した結果、飛行経路の見直し以外実現方策がない」(参議院決算委員会・2016.04.25 石井啓一国土交通大臣)と羽田空港の機能拡張に固執していますが、実際には、成田空港には離発着枠の余裕があり、東京からのアクセスも「36分(空港~日暮里駅)と羽田空港の条件とほぼ変わりなく改善されていること、静岡や茨城などの近県の地方空港の活用、羽田・関西空港間のような短距離航路の鉄道利用への誘導による枠の確保など、国際航空の需要に応える道は充分に残されています。

また、首都圏上空には、民間機が自由に飛行できない米空軍の広大な横田空域があります。そのため、羽田空港を利用する民間機は、大きく迂回するなど不都合なルートをとらざるをえないのです。民間機の安全な飛行ルートを確保するためには、横田空域の縮小・変換が必要です。

このことをふまえ、日本共産党は以下のことを提案し、その実現に全力をつくします。

1 都心上空を飛行する羽田国際空港機能拡張計画の中止

2 国際線航路の需要に応えるための成田国際空港との分担による枠確保や地方空港の活用

3 江戸川区上空を飛ぶ現行ルートの廃止

4 米軍の管制下におかれ日本の空の安全を脅かしている横田空域の返還

 


以上にもとづき、さきに発表した「都議選の訴えと重点公約」にも記述を補充しました。