日本共産党の山添拓議員は24日の参院国土交通委員会で、羽田空港の国際線を増便するため東京都心を通過する新ルートの問題を追及しました。山添氏が、7月の国交省と関係自治体との協議会で新ルートが了承されたと報道されていることについてただしたのに対し、石井啓一国交相は「合意や了承といった事実はない」と明言しました。
新ルートは、これまでの東京湾上空ではなく、着陸時には新宿や渋谷、品川などの人口密集地を、離陸時にも荒川沿いを通過するもの。品川では飛行高度が東京タワーより低くなります。
山添氏は、上空で付着した氷が車輪を出す際に落下するのを防ぐため、空港会社が洋上での脚下げに取り組んでいることを示し、地上ルートになればできなくなると指摘しました。
山添氏は、国交省の説明会がパネル展示などによる一方的な情報提供になっているとして、質疑応答型の説明会に改めるよう要求。石井氏は、自治体の要望で質疑応答型でも開催しているとし、「今後とも関係自治体とも相談しながら丁寧な情報提供をしていく」と述べました。
山添氏は、国交省の「空港の設置及び管理に関する基本方針」が環境対策などの実施は地方自治体の合意を得て進めるべきだとしていることをあげ、羽田もその精神で臨むべきだとただすと、石井氏も否定しませんでした。
(「しんぶん赤旗]2016年11月29日付より)