戦争法廃止へ共同さらに

大山とも子幹事長

大山とも子幹事長

都議会定例会閉会
都議団 大山幹事長が談話

日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は8日、都議会第3回定例会の閉会にあたり談話を発表しました。紹介します。

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第3回定例会を終えて

2015年10月8日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長  大山とも子

一、今定例会は、安倍政権による憲法違反の戦争法強行にたいし、空前の反対世論と運動がひろがるなかでひらかれました。それだけに知事が、憲法を守る立場にたつかどうかが問われた議会でした。

わが党は、国民、都民をはじめ、圧倒的多数の憲法学者、そして歴代の内閣法制局長官、元最高裁長官が、今回の安保法制・戦争法は「憲法違反」だと明言しており、この違憲立法の存続を許すなら、立憲主義、法の支配という国の存立の土台が根底からくつがえされること、多くの国民の反対の声を無視して強行採決したことは国民主権に反することなどについて、知事にただしました。
ところが舛添知事は、違憲立法という事実に目をそむけ、「集団的自衛権の行使を解釈で可能にするかどうかは人それぞれ」、「国会で決めたこと」などと答えました。知事をふくむ地方自治体の長や、数百におよぶ地方議会が、立憲主義を守る立場から積極的に発言し、意見書をあげているなかで、こうした違憲立法に同調する立場の答弁をおこなったことは、憲法を尊重し擁護する義務をおう知事として、その姿勢がきびしく問われるものです。
こうしたなかで、わが党をふくむ6会派は共同で、「強行採決にきびしく抗議し、安保関連法の廃止を求める提言」を都民のみなさんに発表しました。わが党は、ひきつづき都議会でもこの問題を追及するとともに、立場の違いをこえて、今回きずきあげた共同の力をさらに大きくひろげ、戦争法廃止、立憲主義をとりもどす国民連合政府の樹立をめざして、全力をつくす決意です。

わが党は、日米新ガイドラインと戦争法のもとで、オスプレイ配備をはじめ、横田基地が日米共同の特殊部隊などを他国に送り込む拠点基地に変わりつつあり、ますます都民の命と安全をおびやかす存在となっていることをしめし、都として基地の整理・縮小・撤去と、米軍による治外法権的な行動をゆるしている日米地位協定改定のために行動することを求めました。
これにたいし都は、「他国の地位協定と比較しても、特に不利なものとはなっていない」という国の言い分をそのまま代弁する、驚くべき答弁をしました。航空機事故や米軍人による犯罪が発生し、騒音被害などが深刻化しているにもかかわらず、日本国内の法が適用できないため、米軍基地がある都道県による渉外知事会も、日米地位協定の改定を求めているのです。ドイツやイタリアとくらべていちじるしく不平等な協定である事実さえ認めようとしない都の立場は、断じて許されません。

二、わが党は、あらゆる世代に貧困がひろがっている問題、とりわけ高齢者の貧困について、知事の認識と対応をただしました。知事は、社会保障制度はさまざまな軽減措置がとられており、都も独自に低所得者対策を実施しているとして、なんら対策の強化をすすめる立場をしめしませんでした。いまの対策ではまったく不十分だから、貧困がひろがっているのです。
また知事は、いまの社会保障制度はさまざまな問題をかかええており、持続可能なものにつくり変える必要があると答弁しました。しかし政府が、持続可能な社会保障制度にするためだと言ってやっていることは、給付の切り下げと負担増の繰り返しであり、これを許していたら、制度は持続したとしても、多くの国民、都民の生活は破たんし、持続できなくなることは明らかです。
介護保険改悪の中止、撤回を求めることはもちろん、国に社会保障制度の抜本的拡充をすすめさせ、都財政についても福祉優先に転換することなしに、世界一の福祉都市東京の実現などできるわけがありません。

一方、知事は、保育園の待機児童解消という目標の実現にむけ区市町村を支援していく、特養ホームについても整備目標達成にむけ区市町村や事業者を支援していくと答弁しました。また、都有地等を活用した福祉施設整備についても、都営住宅の建て替えによりうまれる土地や、水道局の用地、旧老人医療センター・板橋ナーシングホーム跡地などの活用について、具体的に地元自治体と相談しながらすすめることが表明されました。ひきこもりへの支援についても、充実を図っていくとの答弁があったことは重要です。

三、新国立競技場整備の問題でも、新たな計画は、規模などが前の計画とほとんど変わらないにもかかわらず、知事がこれを容認し、整備費の負担も、国に全面協力する姿勢を示したことをただしました。
わが党の質問に知事も答弁したように、国立競技場である以上、国の責任で整備すべきであり、地方自治体の財政支出に関する法的制約をふまえるべきです。一方、知事が財政支出の新たな根拠にあげた帰宅困難者対策など防災機能を整備することは、設置者として当然の責任であり、都の財政負担の理由にはなりません。圧力に屈せず、これまでの「国負担が原則」の立場をつらぬくべきです。
同時に、オリンピックにかかわる都立施設の整備について、都は、ひきつづき整備費の縮減につとめると表明しました。また、ホッケー競技場の整備にあたり、廃止予定だった野球場6面を存続し、有明テニスの森でも、削減予定だった14面のテニスコートを確保すると表明したことなどは、重要です。

四、議会改革についても、各党、会派の態度が問われました。
都議会改革について都民が求めているのは、都民の多様な意見の反映と開かれた議会、政策立案能力の活性化、そして都議会に関するお金の使い方の透明化とむだづかいの禁止などです。全国でもこうした努力がはじまっており、都議会での検討が期待されています。
そのためにも一人会派をふくめ全会派が参加し、原則公開で、都民に開かれた検討を行うべきです。にもかかわらず、今定例会で設置された都議会のあり方検討会が、自民、公明両党などによって、少数会派の参加が認められず、しかも原則非公開とされたことは、きわめて遺憾です。
わが党は、ひきつづき、検討会を最大限公開し、定数是正と同時に、各会派が提案しているすべての課題について十分な議論をし、結論を出すよう、力をつくすものです。
とくに、わが党など5会派が共同提案した、費用弁償を実費支給にする条例案については、提出後3度の定例会がひらかれたにもかかわらず、質疑さえおこなわれていません。すみやかに議論し、採決すべきです。

以 上

(「しんぶん赤旗」2015年10月10日付より)