小学校がオフィスビルにのみ込まれる
中央区八重洲 子ども犠牲の再開発

白石都議が追及

日本共産党の白石たみお東京都議は8日の都議会都市整備委員会で、中央区八重洲にある区立城東小学校を取り壊し、超高層と高層のオフィスビルを建築して小学校をそのなかに併設する都市再生特別地区再開発計画について質問しました。

城東小学校は、関東大震災後の1929年に「復興校舎」として建築され、子どもの健康や安全、良好な教育環境にも注意を払った景観上の価値も高い建築物として知られています。

白石氏は、再開発で整備するオフィスビルのなかに、公立小学校が入る事例があるか質問。都市整備局の佐々木健防災都市づくり担当部長は「市街地再開発事業で整備された建築物に、公立小学校が併設された事例は確認していない」と答えました。

八重洲の再開発計画は、八重洲1・2丁目地区(約3・1㌶)に大手不動産と土地を所有する大企業や区などが高さ250㍍の超高層ビルと50㍍の高層ビルを建設する計画です。

都側は、城東小学校は「低層部」(最高50㍍)に配置され、校庭はその屋上に整備される予定と説明しました。

白石氏は「どのような影響が子どもたちの心身に現れるのか、検討した箇所が提案書に一切ない」と指摘。「都市間競争」のために、子どもを犠牲にするようなやり方で世界に誇れる都市はできないと批判しました。

白石氏は、取り壊される予定の城東小学校など7校の校舎について、日本建築学会から文化的、歴史的価値があり、それにふさわしい保存と活用を求める要望が区に提出(2010年)されていることを指摘。「歴史ある建物を守りこそすれ、こわすことに手を貸してはならない」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」6月10日付より)