進む基地強化 危険ますます

東京・米軍横田基地 座り込み抗議200回へ

晴れの日も雨の日も毎月続けられた横田基地の撤去を求める座り込み行動=3月16日、東京都福生市(「しんぶん赤旗」提供)

 在日米軍横田基地(東京・多摩地域の5市1町)の機能強化が、これまでにない速さで進んでいます。大型輸送機C17や大型空中給油機の飛来、航空燃料を大量に貯蔵する地下タンクの増設、CV22オスプレイ10機配備のための工事、核攻撃用の戦略爆撃機B52Hの飛来―基地機能強化に抗議し、撤去と返還を求めて毎月1回行われてきた市民の座り込みが、16日で200回を迎えます。(東京・大上純)

戦争させぬ・撤去の声上げる

 座り込みを呼びかけた「横田基地の撤去を求める西多摩の会」は、2008年に発足。学習会の開催や防衛省への要請行動などに取り組んできました。「より多くの人たちが基地問題に注目し、一緒に考え行動していけるような、思い切った取り組み」として、09年4月19日から毎月第三日曜日に座り込みを始めました。座り込みを行っているのは、福生市の「フレンドシップ(友好)パーク」という公園です。公園から、国道16号線とコンクリートの塀を挟んだ先に、横田基地が広がります。

黙っていたら駄目

 座り込みを通じて、米軍機の騒音や振動で「だんらんもできない」「テレビも見られない」など被害の根絶を要求。航空自衛隊の航空総司令部の移転や、パラシュート降下訓練、オスプレイの増強など、日米一体で「戦争する国」の拠点づくりを進める基地の危険な実態を告発し続けてきました。

 「軍事で備えたら軍事で応えてきます。その結果何が起こるかというと、戦争です。絶対に戦争にさせない、戦争を起こさせない。それが自分たちの仕事だと思います」と、同会の寉田(つるた)一忠事務局長は話します。

 沖縄や隣の神奈川での、基地に反対する粘り強いたたかいも、座り込みを始めたきっかけです。

 「米陸軍キャンプ座間のある神奈川県座間市の、市の施設に『黙っていれば100年先も基地の街』という垂れ幕が掲げられていることを知り、黙っていたら駄目だ、声を上げようと思いました」

 会は座り込みだけでなく、オスプレイの危険性を伝える小冊子の作成や、集会での発信も行ってきました。東京での基地撤去を求める運動の拠点となる一方、運動を広げていく難しさもあると言います。

 「座り込みを始めたころは、横田基地の問題について地元以外にはほとんどしられていませんでした。『横田基地がどこにあるかご存じですか?』と聞いても、『神奈川県ですか?』という答えが返ってくることもありました。『東京にこんな大きな基地があるとは』と驚く人がたくさんいました」

PFAS対策要求

 横田基地では近年、発がん性など人体への悪影響が指摘されるPFASを漏出させてきたことが判明。汚染を心配する住民運動の力と地元と医療機関の協力で、住民に広く血液検査が実施されました。その結果は深刻なもので、国や都に対して対策を求める声が広がっています。

 寉田さんは言います。「『基地をなくすまでがんばり抜く』という初心を貫いて、座り込みを続けています。日本中で基地に抗議している人たちと連帯していくことを大切に、日米軍事同盟反対の声を広げていこうと頑張っています」


 第200回座り込み行動。16日(日)午後1時半~3時45分、フレンドシップパーク。座り込みの後、共同の集会、デモ行進(第2ゲート前→東町公園

(「しんぶん赤旗」2025年11月14日付より)

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