小池書記局長 医療・介護労働者に『Q&A資本論』講演

医療・介護労働者に講演する小池晃書記局長=30日、東京都(写真は「しんぶん赤旗」提供)

 日本共産党の小池晃書記局長は30日、東京都内で医療・介護労働者に向けた『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(赤本)をテーマにした講演で、マルクスが『資本論』で呼びかけた「労働者の健康と寿命」を守る「社会的バリケード」(社会的ルールづくり)を論じながら、「医療労働者には社会保障など国民の命と健康を守る『社会的バリケード』を担い、発展させる大きな役割がある」と強調し、その役割を果たそうと語りました。

 学習会は、医療・介護職場の日本共産党後援会がひらいたもの。会場には、仕事終わりの医療・介護労働者69人がつめかけました。オンラインでも10人以上が参加しました。

 小池氏は『Q&A資本論』をベースに、『資本論』で明らかにされた資本主義の搾取のしくみや未来社会の展望を分かりやすく説明。「各個人の完全で自由な発展を基本原理とするより高度な社会形態」である社会主義・共産主義の社会の実現のためには労働時間を抜本的に短くし、各人が「自由な時間」を持てるようにすることが根本条件になること、労働時間を規制する立法は、労働者の健康と寿命を守る最も重要な「社会的バリケード」となると述べました。

 この「社会的バリケード」は、その後の労働者・国民のたたかいの歴史の中で医療、社会保障、公的教育の制度、それらの財源のための民主的税制など、大きく発展してきたと力説しました。

 「『資本論』が呼びかけているたたかいは、現代の医療労働者にとっては、労働者の命と健康を守る医療や介護という『社会的バリケード』をより強固なものにしていくことにつながっています」と、小池氏は続けます。「医療・介護労働者が自分たちの労働時間の短縮、処遇改善、スタッフの増員、自らの生活と健康を守るたたかいは、患者の安全、医療の質の向上にもつながるものです」

 医療を守るたたかいは、同時に資本家階級とのたたかいでもあると話しました。

 事前に寄せられた「診療報酬のマイナス改定は国家による搾取なのではないか」という質問に、小池氏は「財界・大企業とその代弁者である政府による搾取強化であり横領です」と答えました。

 「資本が搾取して得た利潤は、本来は社会保険料や法人税という形で、医療や社会保障のために使わなければいけません。医療費の削減は、国と財界が一体になっての搾取強化・横領ということになります」

 物価が上がっても診療報酬が上がらない、入院基本料が19年間実質据え置かれているなど、病院の危機は、財界・大企業が社会保険料の事業主負担や法人税など、社会保障に関わる自らの負担の削減を政府に要求してきた結果だと述べました。

 小池氏は「医療・介護従事者の処遇の改善、医師、看護師、スタッフなどの増員を求めるたたかいは、国民皆保険という現在の大事な『社会的バリケード』を守る闘いであり、この国の全ての人の命と健康を守るたたかいと一体のものなのです」と、強調しました。

 参加者から「医療従事者として社会的バリケードを担うことに誇りを感じた」という感想が寄せられました。会場で「赤本」(3冊)、「青本」(2冊)を購入する人も。「しんぶん赤旗」の購読を始めた人もいました。

(「しんぶん赤旗」2025年11月1日付より)

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