外苑ラグビー場用地 国民の財産 処分撤回を

吉良議員らスポ庁に求める

ラグビー場用地の財産処分認可についてスポーツ庁の担当者にただす吉良(正面左)、尾崎(同右)の両氏=18日、東京・参院議員会館(「しんぶん赤旗」提供)

 多数の樹木を伐採し超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(東京都新宿区・港区)で、日本共産党の吉良よし子参院議員、尾崎あや子都議は18日、千代田区の参院議員会館で、秩父宮ラグビー場用地の財産処分を文部科学相が認可した問題についてスポーツ庁の担当者から聞き取りを行い、認可の撤回を求めました。

 同ラグビー場を移転し屋根付き多用途施設として建て替える計画に対しては、ラグビー関係者・愛好者や都市計画の専門家らが反対の声を上げていますが、事業者の独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は7月31日、移転建て替えの前提となる財産処分の認可を申請。阿部俊子文科相は今月7日付で認可しました。

 聞き取りでスポーツ庁の担当者は、認可の条件を▽財産処分前の資産額が処分後の資産額と等価となる▽資産額の鑑定評価が適正に行われる▽新ラグビー場の設計変更などについて都知事の認可が得られる―ことだと説明しました。

 吉良、尾崎両氏は、今月4日に行われた超党派国会議連の聞き取りで文科省の担当者が「申請から認可まで通常1カ月程度かかる」と説明していたことを示し、「今回、なぜ申請から1週間で認可したのか。あまりにも拙速で、行うべき手続きを飛ばした疑義がある」と指摘しました。

 担当者が「JSCから、速やかに認可してほしいとの申請があった」と説明したのに対し、吉良、尾崎両氏らは「事業者言いなりで認可したということだ。国民の財産を処分するのに、市民の訴えも聴かずに認可したのはあり得ないことだ」と批判しました。

 両氏らは「財産処分の前後で資産額が等価」とした根拠資料を明らかにするよう求めましたが、担当者は示しませんでした。両氏らは「根拠も示さず評価額を妥当とするのは公正な認可とは言えない」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2025年8月20日付より)

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