共産党 広がる選挙ボランティア「私の民主主義」芽生えた

 衆院選で日本共産党都委員会は、渋谷区の共産党本部内に東京ボランティアセンターを開設しています。12日の開設以来、ボランティア参加者数は20日までで、のべ251人。ビラ折りや、街頭での宣伝活動など、思い思いの行動で、日本共産党の躍進を、と取り組んでいます。

 「日本共産党の政策を、お届けしています」
 衆院選の公示後、最初の週末となった18日、新宿駅東南口の広場に、ボランティアセンターの呼び掛けたスタンディング宣伝に参加した、吉良よし子センター長(参院議員)やボランティアの声が響きました。
 政策を訴えるプラスター(看板)や、横断幕などを掲げた人たちがずらりと並ぶ前で、ビラを配布します。
 終了後、吉良さんが「存在感を示して選挙があるとアピールすることが次につながります。各地の街頭宣伝も盛り上げていきましょう」とあいさつすると、参加者の拍手がわきました。
 初めて選挙ボランティアに参加したという日野市在住の40歳代の女性は、「みなさんの熱気に圧倒されました」と笑顔に。都知事選で初めて「ひとり街宣」に取り組みました。共産党の応援に来た理由を、「どの党を支持するという以上に、『自分の中の民主主義』がようやく、芽生え始めたという感覚です。タムトモさん(田村智子共産党委員長)は、他党の人たちに比べて、唯一、まっとうなことを話している、日本語を話している感じがする」と語ります。
 デザインの仕事をしているという別の女性は、ここ数年、様々な野党の選挙ボランティアに参加してきました。今回は、れいわ新選組が一時、沖縄一区で「オール沖縄」の、あかみね政賢候補(日本共産党)に対立候補を立てようとしたことに怒りを覚え、共産党を中心に応援するといいます。「医師の谷川智行さん(比例東京、4区重複立候補)が休日まで、困窮者の支援に駆けつけている姿を、心から尊敬しています。今回は絶対に、東京の比例で3議席を取って、谷川さんに国会議員になってほしい」として、「時間を見つけて、またボランティアに来ます」と立ち去りました。

 衆院選は27日、投開票を迎えます▼日本共産党が衆院選で掲げる政策の一つが、「学費ゼロ」の社会を目指し学費の値下げに踏み出すことです。私立大学では毎年のように学費の値上げが続き、国立大学にも学費値上げを求めています。東京大学は、年間約10万円の値上げを打ち出し、学生や教職員など強い反対の声にもかかわらず、強行しようとしています▼国立大学が2004年に大学法人化されて以降、国からの運営費交付金は約13%も削減されています。私立大学への助成金も、抑制が続けられてきました。国の予算削減が、学費の値上げを生み、学生は「バイト漬け」の生活を強いられ、学ぶ時間を奪われています▼学生の8割がアルバイトに従事し、3人に1人が貸与制の奨学金を借りているのが現状です。奨学金という名の「借金」は、若い世代に重くのしかかり、その総額は10兆円にのぼります▼早稲田大学の門前で17日、日本共産党が行った街頭宣伝では、同大学出身でもある吉良よし子参院議員が、フランスが学費を無償化しているのは民主主義を支える担い手を育てるためだと紹介しました。軍事関係の予算には膨大なお金を大盤振る舞いにもかかわらず、教育にお金をかけようとしない政治の転換が必要です。

同じ思い、交流し楽しく
共産党 各地で選挙ボランティア

日本共産党都委員会の総選挙東京ボランティアセンターは、日本共産党本部(渋谷区)の一階に設置されています。また、各地の街頭宣伝の会場でも、ボランティアの受付ブースを設置しています。都内の同党地区委員会で、ボランティアの受け入れをしているところもあります。
 センター内には、キッズスペースもあり、ガラスばりで、初めてでも参加しやすい雰囲気を心がけています。
 時にはスタッフの呼びかけで、来場者が交流する「おしゃべりタイム」を開くことも。これも、作業に集中したければ、自由参加です。
 仕事帰りや、用事での移動の途中など、合間を見つけて立ち寄る人も多く、ひっきりなしに来訪があります。短時間の参加でも、ビラ折りや電話かけなどができるよう準備されています。

4分の1が初めて
 来訪する人のなかには、都知事選でひとり街宣をしたり、共産党議員の国会質問の切り抜き動画を見て関心を持ったなど、選挙ボランティアは初めてという人も多くいます。
 センター事務局長の大田朝子さんは、「アンケートでは、4分の1ほどの人が、選挙ボランティアは初めて、と書いてくれています。また、他の党のボランティアをしていた人が、『今回は共産党』と来てくれるケースもあります。様々な人が足を踏み出し、共産党の選挙ボランティアに参加してくれることに、励まされる」と話します。
 18日の午後、ビラ折りをしていた20歳代の女性は、茨城県在住で、都内での音楽ライブに行く前に立ち寄りました。「選挙ボランティアは初めてで、センターに入るのに緊張して、前の通りを一往復してしまったけれど、優しく教えてくれて、他のボランティアの人たちとも交流もできて、すごく楽しかった」と感想を語ります。
 この女性は、都知事選で「ひとり街宣」を、足立区内でやってみたといいます。「通りかかる人が、小池さん(都知事)はだめだよねとか話しかけてくれて、とても楽しかった。ひとり街宣に取り組んだ人たちのLINEグループ(交流サービス)で、証紙貼りなどのボランティアもあると教えてもらい、やってみたいと思っていた」のが、参加のきっかけです。

情勢を伝え率直に
 センターに来た人たちには、スタッフが「東京の比例は議席増のチャンスだけど、それに見合った取り組みがまだできていない」「得票数を1・3倍に増やせば、3議席に伸ばせる」など、情勢をリアルに伝えています。大田さんは「ボランティアの皆さんにしっかり情勢を伝えて、だから力を貸してほしいと率直にお願いすることを心がけています」と話します。
 ボランティアの力で、公示前までに2万枚の「比例リーフ」配布を呼びかけ、大半を配り切りました。赤旗号外の2万枚のビラ折り、小選挙区候補のビラの証紙貼り2万枚、比例カーなどの周りで配布するビラ2万枚の折り作業など、次々と取り組んでいます。
 センターの机には、重さを測るハカリが置かれています。折ったチラシを、最初は、手で100枚ずつ数えて束にしていたのを、ボランティアの一人から「重さで測って100枚ずつに仕分けたほうが、時間が節約できる」と提案されて、導入したものです。
 証紙貼りをしていた世田谷区の40歳代の女性は、離婚後の共同親権の問題に関心があり、国会傍聴をしたといいます。「国民目線で共同親権の問題点を追及する共産党の質問と、『自分語り』のような維新の会の議員の質問時間が、ほぼ同じ長さだったことに、まったく納得がいかなかった。『議席数、めっちゃ大事』って思いました」として、 センターでの活動を「和気あいあいと活動できて、とても楽しかった。心がくじけることが多い世の中だけど、同じ思いを持った人たちが、こんなにいることが、うれしい」と振り返りました。