共産党が要求
東京都が行っている地下水の有機フッ素化合物(PFAS)調査で、これまで合計値で公表していたPFOSとPFOAの濃度を、7月からそれぞれについて公表するように改めたことが分かりました。
都は23区と多摩地域を260区域に分け、2021~23年度にかけ地下水の測定を行いましたが、これまではPFOSとPFOAとの合計値しか公表していませんでした。
今年6月都議会の代表質問では日本共産党の米倉春奈都議が「実態を正確につかみ汚染源を明らかにする上でも、数値を別々に公表すべきだ」と要求。これに対し松本明子都環境局長は「水質汚濁防止法ではPFOSとPFOAの合計値を要監視項目として定めている」としていました。
しかし、都は7月下旬になり、PFOSとPFOAそれぞれの濃度を公表するように改めました。
PFASは発がん性や脂質異常、新生児の低体重などの健康影響が指摘されています。1万種類以上あるPFASのうち、PFOSは泡消火剤に、PFOAは撥水(はっすい)加工などに使われてきました。
現在は国内での製造・使用が原則禁止されていますが、米軍基地や半導体工場などの周辺の地下水から検出されています。
例えば23区で合計濃度が最も高かった渋谷区の井戸(地下水1リットル当たり計330ナノグラム)では、PFOSが0・5ナノグラムだったのに対し、PFOAが330ナノグラムありました。一方、多摩地域で最も濃度が高かった狛江市の井戸(計410ナノグラム)では、PFOSが400ナノグラムだったのに対しPFOAは12ナノグラムでした。
汚染原因の責任求める手掛かり
共産党の尾崎あや子都議の話 PFOSとPFOAとは用途が異なるので、二つの物質の濃度を分けて記録することで、汚染原因の解明に迫ることができ、汚染対策でも原因者に責任を求める手掛かりになります。都が都民の安全・安心を守るためにも、役割を発揮することが重要です。そのために引き続き頑張ります。
(「しんぶん赤旗」2024年8月2日付より)