「経営苦しい」8割 訪問介護事業所アンケート

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❚ 東京・北地区委員会

 介護保険の訪問介護基本報酬が4月から引き下げられた問題で日本共産党東京都北地区委員会は30日、記者会見し、北区内の訪問介護事業所に行っていたアンケート調査の結果を発表しました。約8割の事業所が4月以降の収益変化が「苦しい」と回答するなど深刻な実態が浮き彫りになりました。田原聖子党衆院東京12区候補、曽根はじめ党都議会議員、党北区議が出席しました。

記者会見で介護報酬アンケートの結果を発表する曽根都議(左端)、田原さん(左から3人目)と党北区議団=30日、東京都北区(しんぶん赤旗提供)

 同地区は区内の訪問介護事業所の約6割に及ぶ49事業所を4月に訪問し協力を依頼。廃止していた事業所が3軒あり、「今後、廃止を検討している」と答えた事業所が2軒ありました。

 現在の経営状況がは「とても苦しい」は34・8%、「苦しい」は43・5%で、すでに8割近く苦境に陥っていました。その上の報酬引き下げ。4月以降の収益変化でも「とても苦しい」が30・4%、「苦しい」が52・2%にのぼりました。

 「経営的にも不安定なため若い人材が増えずつねに人材不足」「ヘルパーの高齢化と人材不足で事業所を閉鎖せざるを得ない」など深刻な声が寄せられました。

 介護現場で働き、労組専従の経験もある田原さんは「訪問介護は低賃金・不安定雇用を前提に24年間実施されてきた。労働条件を抜本的に改善しないと人手不足は解消しない」と強調しました。

 野々山研区議(地区委員長)は「引き下げ撤回を国に要望するとともに、介護基盤を守るため区の財政調整基金で補助するなど独自の対策を区に求めていきたい」と語りました。