強制不妊訴訟 上告断念を 山添議員 首相に決断迫る

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参院予算委

日本共産党の山添拓議員は2日の参院予算委員会で、旧優生保護法のもとでの不妊強制手術を違憲として訴えた裁判で、初めて国に賠償を命じた大阪高裁判決について、上告しない決断を求めました。岸田文雄首相は「内容を精査する」と述べるにとどまりました。

 強制不妊をめぐる一連の訴訟では、損害を被ってから20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」が賠償を阻む大きな壁となってきました。山添氏は、高裁判決が“国が障害者への差別と偏見を正当化・固定化、助長してきた”と指摘し、この事件で除斥期間を適用することは「著しく正義・公平の理念に反する」として請求を認めたことを紹介。「画期的な、被害者に寄り添う判決だ」として岸田首相の考えをただしました。

 岸田首相は、2019年に一時金支給法が成立したなどとして、「今の段階で私の立場を述べるのは適切でない。判決の内容を精査して適切に対応する」と述べるだけでした。

 山添氏は、「一時金支給法では被害救済が不十分としたのが高裁判決であり、法改正が必要だ」と強調。原告らの命をかけた司法への訴えを正面から受け止めるよう求めた日本障害者協議会の声明を読みあげ、「総理の判断で上告をしない、解決に進む決断を」と重ねて迫りました。

(「しんぶん赤旗」2022年3月3日付より)