国大法改定案を可決/学長選考 意向投票こそ 吉良よし子議員主張

参院文科委 共産党反対

質問する吉良よし子議員=13日、参院文科委(写真提供:しんぶん赤旗)

参院文教科学委員会は13日、学長選考会議や監事の学長監視機能の強化を柱とした国立大学法人法改定案を、自民、公明、維新、立憲民主、国民民主の各党の賛成多数で可決しました。日本共産党とれいわ新選組は反対しました。

日本共産党の吉良よし子議員は質疑で、国立大学の法人化への移行後、学長選考会議が教職員の意向投票の結果を覆した事例24校29回に上るとの報道を紹介。選考過程も不透明で説明責任が果たされないことが、学内構成員の執行部に対する不信を強める原因になっているとし、選考会議の議事録公開を法律に明文化するよう求めました。文科省の伯井美徳高等教育局長は「透明性を確保した会議の運営はこれまで以上に求められる」とし、選考会議の審議経過を記録として残すことなどを検討していくと答弁しました。

吉良氏は、意向投票結果を尊重しなくてよいとする2014年の文科省通知や19年の閣議決定によって、意向投票を廃止した国立大学が14年以降3校から14校に増加したと指摘。学長の独裁的な大学運営によって学生や市民が深刻な被害を受けている福岡教育大学や旭川医科大学の事例を示し、「学長選考のプロセスに意向投票をきちんと位置づけることこそ、けん制機能の強化だ」と通知や閣議決定の撤回を求めました。萩生田光一文科相は、撤回はしなかったものの「意向投票はやってもいい」と答弁しました。

(「しんぶん赤旗」2021年5月14日付より)