東京都新宿区で新型コロナウイルス感染症のPCR検査スポットの陽性率が急増し、7月1日から9日までの平均で33・3%と高い値を示していることが日本共産党新宿区議団(近藤なつ子団長)の調べで分かりました。

市中感染が急速に広がっている恐れを示すもので、検査・医療体制の抜本的強化が求められます。

2020年7月22日付「しんぶん赤旗」3面より

同スポットは主に症状のある人が区内の医療機関の紹介で訪れます。保健所が、感染が分かっている人の「濃厚接触者」を特定して行う検査とは別枠です。不特定の人が訪れる検査スポットで極めて高い陽性率を示していることは、地域の感染拡大が深刻なことを示しています。

同検査スポットは4月末「国際医療研究センター」の敷地内に設けられました。区が同センターと医師会に委託して運営しています。

6月末から激増

同スポットの受診者と陽性率は、1日平均、4月が51件で5・9%、5月が41件で4・7%でした。ところが6月末からいずれも激増。
6月29日に受診者が90人を上回り、6月の1日平均受診者数は58件で陽性率は17・9%に跳ね上がりました。

さらに7月3日には受診者数が118人、6日には167人を記録。陽性率も3日は37・3%、6日は39・5%と4割近くに及びました。
区は10日以降の結果を明らかにしていません。

国立国際医療研究センター内に設置された新型コロナ検査スポット
国立国際医療研究センター内に設置された新型コロナ検査スポット=新宿区内(「しんぶん赤旗」提供)

一方、同区保健所は、夜間の接客を伴う飲食店など感染者が出た事業所を対象に、「濃厚接触者」に限定した検査を実施しています。

深刻さを矮小化

同区によると、国際医療研究センター内の検査スポットにもこうした「濃厚接触者」が一部受診するといいますが、連日100人を超えている同スポット検査の圧倒的多数は「濃厚接触者」以外の人たちです。

この問題は、日本共産党の山添拓参院議員が16日の予算委員会で取り上げました。
6月の同スポット検査で会社員等が381人受診し陽性率3・7%、学生が80人受診し同3・8%などの結果を示しました。

これに対し西村康稔経済再生担当相は、「一般的な方ではありません。濃厚接触した方、友人やお客さんの平均値の陽性率がこのぐらい」と答弁し、感染拡大の深刻さを矮小(わいしょう)化しようとしました。

山添議員は、「感染拡大が深刻化している地域でけた違いの検査を行っていくべきだ」と主張、徹底した補償とセットでの休業要請を業種と地域を限定してただちに行うよう求めていました。

集中的 戦略的検査が急務~山添拓参院議員の話

山添拓参院議員
山添拓参院議員 

党新宿区議団が粘り強く要求し、これまで非公表だった5月末以降のPCR検査スポットの検査実績を同区に明らかにさせました。
感染が夜間の接客業を含む飲食業だけでなく、無職者や会社員、学生の間にも広がっていることが明らかになりました。
安倍政権が感染防止のための有効な対策をとらないもとで市中感染が広がり、しかもその実態も正確に把握していません。政府の責任は重大です。地域や業種を特定した集中的、戦略的なPCR検査が急務です。

また区はいまだ7月10日以降の検査結果を公表していません。的確な対策のためにも速やかに公表するべきです。

(2020年7月22日付「しんぶん赤旗」より)