首都圏に上陸した台風15号で、東京都の島しょ部でも大きな被害が出ています。
都の12日の集計では、住宅の損傷が数百軒規模に上る見込み。
住民は「台風がよく通過する地域だが、今回ほどの強風は初めて経験した」と話します。
都は同日、大島町では150~200軒で屋根や壁の破損などの被害が出た見込みだと発表しました。
同町南部の差木地地区に住む元教員の男性は「周辺では被害のない家の方が少ない」と話します。
屋根が飛ばされたり、土壁に飛来物によるとみられる穴が開いたりしているといいます。
都内各地から進学した生徒が寄宿舎で暮らしますが、10日に一時帰宅しました。
近くのスーパーも屋根が飛び、閉店しています。
電気は幹線がほぼ復旧していますが、男性は「各戸への引き込み線が損傷し、電気が使えない世帯がまだある」と話します。
日本共産党の町議団は町に、被災者の住む場所の確保などを申し入れました。
都によると同町の都立大島海洋国際高校では校舎の窓ガラス179枚が割れた他、体育館の屋根なども損傷し、9日から休校に。
また新島村役場によると、村内では風によるとみられる家屋被害が相次ぎ、12日午後までに全壊が6軒、半壊14軒、一部損壊が422軒確認されました。
現在も調査中で、数はさらに増える恐れがあります。
9日には「義理の母が家から出られない。助けて」と訴える女性と現場に向かい、折り重なったトタンや倒木を撤去したといいます。
(2019年9月13日付「しんぶん赤旗」より)