豊洲集客施設「千客万来」協議継続へ

東京都は貸料減額を提案

東京都は25日、築地市場(中央区)の移転予定先の豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)に併設する場外観光集客施設「千客万来」について事業予定者の「万葉倶楽部」(神奈川県)から事業実施の意思の回答がなかったため、協議を継続する方針を決めました。

豊洲新市場に万葉倶楽部が計画している千客万来施設
東京都「千客万来施設事業(6街区)事業予定者の決定について」PDFより
都は万葉倶楽部に対して土地貸付賃料の減額などを提案し、25日を回答期限としていましたが、万葉側は築地の再開発計画が明らかになっていないとして具体的な回答をせず、小池百合子知事に謝罪を求めました。

このため、都は同日の関係局長会議で経過を説明し、近日中に副知事が万葉と協議することを確認。

小池知事は「しっかり誠意をもって対応していく」と述べました。

万葉倶楽部の計画によると、飲食・物販店舗や温泉つきホテルを2017年1月着工、2019年8月全面開業の予定。
事業用定期借地方式(50年間)で都に年額8,652万円の賃料を支払う約束でした。

豊洲新市場に万葉倶楽部が計画している千客万来施設
東京都「千客万来施設事業(6街区)事業予定者の決定について」PDFよりhttp://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/03/DATA/20q34401.pdf
しかし、小池知事が2017年6月に築地市場の豊洲移転方針を公表した際に、築地は「食のテーマパーク」を含めて再開発し、築地に戻ることを希望する市場業者に経営支援をすると説明したことに抗議し、撤退も示唆していました。

都は新市場整備に約6,000億円を投じたものの土壌汚染対策が失敗し、市場業者や消費者から移転中止の声が強まっています。

都が千客万来の土地賃料を引き下げれば都の市場会計をさらに圧迫することになります。

(2018年4月27日付「しんぶん赤旗」より)