卸売市場法案の危険性を考えたシンポジウム=14日、東京・築地市場の講堂(しんぶん赤旗提供)
「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」(全国食健連)は、今国会に提出されている卸売市場法改定案についてのシンポジウムを14日に開きました。

地域経済、食生活、雇用を壊すものとなるとの声が出て「国会で拙速な決定はするな」と話し合われました。

同改定案は、

▽自治体が開設者になっている中央卸売市場(全国で64市場)で民間企業の開設者を認める
▽卸売会社と仲卸業者の取引を通じるという原則を廃止し、直接取引を合法化する
▽市場内では他の業務も可能にする

となっています。

主催者あいさつした農民連の笹渡義夫会長は、同法案が生産者や市場、消費者の要求ではなく、企業利益を代弁する規制改革推進会議が提案したものだと紹介。

「一部の企業のもうけ本位に市場が一変する恐れがある」と述べ、「安倍内閣は信任されていない。今国会で拙速に決めてはならない」と訴えました。

公正性担保できない

東京中央市場労働組合の中澤誠委員長が基調報告しました。

卸売会社が集荷し、品質の目利きによる仲卸業者とのセリ取引が原則だと紹介し、「需給と品質だけで価格形成をし、生産者の営業を守るとともに多様で良質の生鮮食品の出荷を促してきた」と述べ、改定案では公正性が担保できなくなり、業者の廃業が続くと述べました。

仙台市中央卸売市場水産物卸協同組合の菅原邦昭事務局長も、数度の市場法改定で公正な競争原則が崩され、”スーパーの店頭価格より我々が納入する市場価格が高いのはおかしい”との声が小売店から出ていると紹介。

「卸売市場は雇用、地域経済を守るとりでの一つだ。業者は反対が多い」と話しました。

買い物難民の懸念も

岩手県生協連顧問の加藤善正さんは、スーパーやチェーン店が撤退する現状を紹介し、「利益本位ではコミニティや商店街の崩壊、買い物難民化が急速に進むのではないか」と指摘。

新日本婦人の会東京都本部の岡林奈緒子・食と環境部長は、「一番得するのは誰かを考えると、今回の市場法改定の狙いがわかる」と述べ、輸入食品が増える恐れを述べました。

会場の築地市場内の講堂には生産者、業者や消費者など200人が参加。

「アンケートをすると圧倒的多数の業者は築地でと答える」と築地女将さん会の山口タイ会長が訴え、会場から「地域から市場の役割を話し、味方、共同を広げよう」との発言が続きました。

日本共産党から田村貴昭衆院議員、曽根はじめ、清水秀子、尾崎あや子、畔上三和子の各都議が参加しました。

(2018年4月17日付「しんぶん赤旗」より)