《豊洲新市場問題》豊洲「無害化」放棄、業者合意ない移転/都が答弁不能に 都議会委

質問するあぜ上三和子都議=4日、都議会経済・港湾委
質問するあぜ上三和子都議=4日、都議会経済・港湾委

築地市場(東京都中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス豊洲工場跡地)への移転問題で、日本共産党の、あぜ上三和子都議は4日、都議会経済・港湾委員会で質問しました。あぜ上氏が、都が汚染土壌と地下水の「無害化」の約束を放棄した問題をただし、市場業者の合意もなしに移転を進めるのかと迫り、都の市場当局は答弁不能に陥りました。

都が市場業者や都民に約束した、豊洲新市場の土壌も地下水も環境基準以下にする「無害化」の方針を投げ捨てたことについて、あぜ上氏は「できもしない約束をしたのが間違いだったというのか」「約束を撤回し『安全』のハードルをなくすことは許されない」と追及しました。

都中央卸売市場の吉村恵一企画担当部長は「約束を果たせなかった事実は真摯(しんし)に反省する」と言いながら、専門家会議が提言した「追加対策」を行って業者、都民の理解を得たいと繰り返すばかりでした。あぜ上氏は「食の安全・安心を放棄したことのごまかしと言わざるを得ない」と批判しました。

地下水管理システムが破綻し、地下水位が高く、盛り土が汚染地下水に漬かっているため再汚染されている可能性が高い問題で、あぜ上氏は再汚染されていないという根拠と、盛り土の調査を求めました。鈴木理・技術調整担当部長は「追加対策を行って速やかに水位を下げる必要がある」と述べるだけで、質問に答えられませんでした。

あぜ上氏は、豊洲移転を進めるのであれば、築地市場の六つの業界団体の合意が不可欠だと指摘。「合意がなくても進めるのか」と4回にわたってただしましたが、岡安雅人新市場整備部長は「丁寧に説明して理解を得たい」と繰り返すだけで、業者の合意なしに移転を進めることはしないとは述べませんでした。

(「しんぶん赤旗」2017年9月5日付より)