地下水管理システム
不適格業者に発注

豊洲に新疑惑

豊洲新市場(東京都江東区)に新たな疑惑ー。地下水管理システムに関わる事業を4年間に3億円以上を随意契約で都から受注した日水コン(新宿区)が、地下水の流動解析の実験研究施設を持たず、都の見積もり参加条件に不適格だったことが4日、明らかになりました。都議会本会議の代表質問で、日本共産党の大山とも子幹事長が追及しました。

都議会本会議

共産党大山氏が追及

地下水管理システムは、土壌汚染対策として行った、盛り土まで地下水が上がらないよう水位を管理するとともに、ベンゼン、シアン化合物などの有害物質の濃度を測定、処理して市場の安全・安心を確保するものです。
都は2012年8月、同システムの設計業務を公募形式の随意契約で日水コンに3750万円で発注しました。公募への参加条件として、地下水の流動解析の実験実験研究施設を持つことを定めていました。
都議団が2回にわたって日水コンの総務課長に確認したところ、「当社には実験研究施設がありません」「実験は外部委託になる」と回答。同社の主要業務は上下水道のコンサルティングで、地下水管理システム、土壌汚染対策技術は主要業務でないことを明らかにしました。
代表質問で大山氏は「これでは都の見積もり参加条件に不適格ではありませんか」と質問。岸本良一中央卸売市場長は「会社パンフレットなどで研究施設を有していると確認した」と答えました。
大山氏は再質問で、都が確認したというパンフには実験研究施設は明記されておらず、総務課長が研究施設はないと答えたことを再度示して追及。さらに、同社が土壌汚染対策法にもとづく指定調査機関として届け出されていない11年3月31日から15年6月23日までの間に地下水管理システム関連で5件の事業を受注していたことを指摘しました。
大山氏は、契約をめぐる経過はきわめて異常な事態だと強調。「盛り土の問題に続き、地下水管理システムの信頼性を失わせる重大問題であり、日水コンとの契約をめぐる経過について全面的な調査が必要ではないか」と迫りました。小池知事は再質問への答弁で「市場問題プロジェクトチームを設けており、必要があればそこで調べる」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2016年10月5日付より)