勤怠アプリ 労働時間の端数切り捨て 厚労省、不適切運用ただす要請

「労基法違反」宮本氏が追及 

 アプリを用いた勤怠管理システムで労働時間の端数を切り捨てる不適正な運用を行わないよう、厚生労働省が一般社団法人人事労務システム協議会に要請しました。この問題を巡っては日本共産党の宮本徹議員が衆院厚生労働委員会で、労働時間の切り捨ては労働基準法違反だとして対応を求めていました。

 宮本氏は4月3日の同委で、建設会社で働く若者から寄せられた「勤怠管理アプリによって始業時間前や終業後の30分未満が切り捨てられ、時間外労働とみなされない」との訴えを紹介。労働時間は1分単位で管理するのが原則で、切り捨ては違法行為だとして、不払い残業を許さないよう対応を求めました。

 武見敬三厚労相は「日ごとに60分に満たない部分を常に切り捨てる運用は認められない」「アプリ開発者に注意を促すことも含めて、引き続き必要な対応を徹底する」と答弁しました。

 この答弁をうけ厚労省は6月11日、労働基準局監督課長名で、アプリを使った不適正な労働時間管理が行われることがないよう人事労務システム協議会に要請しました。

 要請は武見厚労相の答弁も引用し、1日ごとの時間外労働などの端数を切り捨て、その分の賃金を支払わないことは労基法違反となると指摘。協議会傘下の企業などに対し、常に労働者の不利となるシステム上の設定・機能の制限や廃止、システムを導入している事業場への注意喚起の徹底を求めました。

(しんぶん赤旗2024年6月24日付より)