22年都選管政治資金収支報告書 投稿発覚で契約終了?

❚ 野党中傷の「Dappi」 自民都連との取引ゼロに

 匿名のツイッター(現X)アカウント「Dappi」で野党を中傷してきたと東京地裁も認定したワンズクエスト社(東京都世田谷区)。自民党東京都支部連合会は同社に毎年業務を委託していましたが、問題発覚以降は発注していなかったことが15日、東京都選挙管理委員会が公表した2022年分の政治資金収支報告書でわかりました。(矢野昌弘)

 「Dappi」をめぐっては、立憲民主党の国会議員が投稿による名誉毀損(きそん)を訴えた裁判がありました。東京地裁は10月に、ワンズ社側の名誉毀損を認め、同社側に計220万円の賠償を命じました。判決は「社長の指示の下、会社の業務として行われたものというほかない」と、投稿が会社ぐるみで行われたと認定しました。

 自民党都連は、ワンズ社に少なくとも19年から毎年、「特設ページ制作代」「サーバー費」などを支出。19年~21年の3年分だけで8件、計493万円にのぼります。このうち21年は5件も支出していました。同社社長は、裁判の尋問でも自民党都連と取引関係にあったことを認めています。

 ところが15日に公表された22年分の収支報告書では、ワンズ社への支出がゼロとなっていました。自民都連がワンズ社に最後に支出したのは21年8月。その翌月の9月に、「Dappi」の発信元が同社だと判明しました。同年10月1日を最後に「Dappi」の投稿は止まったまま。今月になってアカウントが削除されていることがわかりました。

 支出がゼロだった22年は裁判で、ワンズ社と自民党との関係や契約内容が問われた時期です。なぜ支出がなくなったのか。自民党の説明責任が問われています。

(しんぶん赤旗2023年11月16日付より)