吉良よし子議員は15日の参院文教科学委員会で、東京都内の公立中3年生を対象とする英語スピーキングテストの実施(27日)まで2週間を切った現在でも試験監督が集まらないなど多くの課題があるとして、中止を強く求めました。
同テストは、都教育委員会が教育産業大手ベネッセコーポレーションに委託して実施し、8万人が対象。ベネッセ作成の問題への英語の回答を録音し、フィリピンに送付し、同国での採点(20点満点)がそのまま都立高入試に加算されます。
吉良氏は、ベネッセに住所や電話番号などの個人情報や顔写真を事前登録しなければ受験できず、学校で子どもたち自身に一斉登録させる事例もあるとして「保護者の確認なく同意させることはあってはならない事態だ」と批判。保護者アンケートでも約半数が「同意した自覚がない」と回答しており大問題だと強調しました。
吉良氏が大学入学共通テストへのスピーキングテスト導入を見送った理由をただしたのに対し、文部科学省は「質の高い採点者の確保や正確な採点の担保などの実施上の課題が生じる」(大学入試のあり方に関する検討会議提言)からだと説明。吉良氏は、高校入試でも同様の課題があり、プレテストでも隣の音声が入るトラブルが発生するなど「何一つ解決していない」と指摘。「今からでも間に合う。試験の中止を」と訴えましたが、永岡桂子文科相は「都教委に責任をもって適切に対応いただく」と繰り返しました。
(しんぶん赤旗2022年11月17日付より)