参院文教科学委員会で10日、教員免許更新制廃止と引き換えに研修受講履歴の記録を義務づける教育公務員特例法等改定案が可決されました。日本共産党とれいわ新選組は反対しました。共産党の吉良よし子議員は、受講履歴に基づく面談がパワハラの温床や教育委員会の研修押し付けにつながると批判し、「自主的・自律的な研修のためのゆとりと時間の保障こそ必要だ」と訴えました。
吉良氏は免許更新制について、10年に1度講習を受けなければ免許が失効するとした仕組み自体に問題があったと指摘。今回の法改定も最終的には職務命令や懲戒処分で脅して研修受講を迫る仕組みになっているとし、「脅さなければ教員は学ばないというのが文科省の考えか」とただしました。末松信介文科相は更新制での免許失効を問題と認めず、新制度も「脅しという考えは全くない」などと強弁しました。
吉良氏は、最終的に懲戒処分となれば脅し以外のなにものでもないと批判。教員人事評価のための期首・期末面談の場で受講履歴に基づく「指導・助言」がされることについて、参考人質疑でも校長によるパワハラへの懸念があがったとし、防止策をただしました。末松氏は「一方的に指導するのではなく校長と教師のキャッチボールで行われるのでパワハラにつながらない」などと述べるだけで、具体的手だてがないことを露呈しました。
吉良氏は、更新制廃止のための教育職員免許法改定案だけを成立させ、研修の押し付けにつながる教特法改定案は削除する修正案を提出しましたが、否決されました。
(「しんぶん赤旗」2022年5月11日付より)