東京都が臨海副都心青海にカジノを中心とする統合型リゾート(IR)や国際会議場・展示場(MICE)を誘致することを想定して、11件の調査報告書を作成。
6,566万円を支出していたことが29日、「しんぶん赤旗」の取材で明らかになりました。

以下、9月30日付「しんぶん赤旗」の記事を紹介します。

調査報告書は、2012年度から2018年度にかけて港湾局(10件)と政策企画局(1件)が民間コンサルタント会社に委託して作成、報告書の分量は約1360ページです。

このうち非公表の報告書は5件あり、「しんぶん赤旗」が港湾局に情報開示請求を行い、入手しました。

非公表報告書は、青海地区北側(台場の南側)にIRやMICEを整備することを想定し、施設配置と規模、建設費、売上高などを試算し完成予想図も付けています。
シンガポールの巨大カジノ・マリーナベイサンズ(米ラスベガス・サンズが運営)をモデルにして、カジノ併設、カジノなしMICEなど数パターンを検討、カジノ併設型を優先順位の1位に挙げています。

最初にカジノの完成予想図を描いたのは、ロンドンに本拠地を置く大手コンサルタント会社・PWC(プライスウォーターハウスクーパース)。
2012年度報告書はIR事業者にヒアリングしてカジノを2カ所(2・5ヘクタール)、国際会議場・展示場の規模を7・5ヘクタールとし、カジノはMICE機能を財政面で下支えすると強調しています。

三菱総研の報告書は、IR候補地として築地市場跡地、青海地区北側、品川・田町間の3カ所を比較検討し、青海が最適と評価。
IRの建設費は最大3,600億円と試算、カジノを外国人専用にすると事業採算性が悪くなると提言しています。

みずほ総研の報告書は、青海地区にカジノ(1・5ヘクタール)を併設した高級ホテル、展示場・会議場4・2ヘクタール、商業施設などの整備を提言。
カジノは“MICEを支えるエンジン”とし、建設費は最大で3,527億円と見込んでいます。

誘致検討やめよ

矢野政昭さん(臨海部開発問題を考える都民連絡会世話人)の話

私たちも「赤旗」の記事(6月3日付)を見て都に情報開示請求を行い、調査報告書を入手したが、カジノありきの内容だ。
議会や都民に黙って多額の公金を投じて、カジノ調査をするのは、とんでもないことだ。都民の意思に反したカジノの誘致検討はやめるべきだ。

【解説】都庁幹部も検討疑問視

東京都は、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、小池百合子の4知事のもとで都民に隠れて5件の調査報告書を作成していました。

国が9月に自治体に対して行ったIR誘致の意向調査に、都は「検討中」と回答しています。情報公開は“1丁目1番地”と公約した小池知事のもとで、ひそかにカジノ誘致調査を継続してきたことは、大問題です。

非公表の報告書で、カジノ候補地を臨海副都心に絞り込んでいたことが、「しんぶん赤旗」報道(今年6月3日付)と日本共産党都議団の調査(9月6日公表)で明らかになりました。

IR事業者などに意見聴取した報告書はありますが、ギャンブル依存症を憂慮し反対する都民や市民団体に意向調査をした報告書は皆無です。

都の幹部の間にもカジノ検討を疑問視する声が上がっています。

ある幹部は「都がIRの調査を開始したのは、石原元知事の指示がきっかけだ。2014年度にカジノ所管を政策企画局から港湾局に移管し、毎年調査報告書を作成してきたが、内容は薄い。意味のある調査かと聞かれれば、率直に言ってかなり疑問だ」と記者に語りました。

(2019年9月30日付「しんぶん赤旗」より)