「しんぶん赤旗」に、東京都が発表した築地跡地の再開発素案についての記事と、それについての解説が掲載されました。

日本共産党都議団は、この素案に対し「重大な公約違反」とする声明を発表しています。
リンク➡「【幹事長談話】「築地まちづくり方針(素案)」は重大な公約違反

東京都は23日、都民や市場関係者の批判を押し切って移転させた築地市場(中央区)跡地に、国際会議場や展示場、高級ホテルを備えた複合施設を整備する「築地まちづくり方針」素案を公表しました。

築地市場
同日から2月21日まで都民意見を公募し、3月末に方針を策定するとしていますが、2017年6月の「基本方針」で示した「築地は守る」「食のテーマパーク機能を有する新たな市場(にする)」とした約束を踏みにじり、市場機能は一切盛り込んでいません。

素案では、築地地区を国際会議場・展示場などのMICE(マイス)機能を中核とする交流拠点にすると記載。
同地区を4つの区域に分け、国際会議場や高級ホテル、大規模集客・交流施設などを想定し、民間の提案を受けて段階的に開発を進めるとしています。

都は同日の関係局長会議で築地市場跡地について、

(1)都の中央卸売市場会計から一般会計に売却(有償所管換え)する
(2)市場会計で保有し長期貸し付けで年最大154億円の賃料収入を得る

などの試算結果を報告。跡地を、2011年2月に試算した額(3,500億円)より2,100億円も上乗せした5,623億円で一般会計に売却する方針を確認しました。

小池百合子知事は会議後、記者団に対し、「(市場の)卸・仲卸の方々には丁寧にご意見を伺いたい」と発言。
同地区に導入するMICE機能にはカジノを盛り込まない考えを示しました。

築地市場跡地
築地市場は1935年開設。90年代には再整備に着手しましたが断念。
都は昨年10月、築地閉場と豊洲市場への移転を強行。都は築地跡地を2020年東京五輪のバス輸送拠点に暫定利用し、五輪閉会後、再開発を行う方針です。

【解説】都の再開発素案~築地ブランド捨て大企業の利益追求

都がまとめた再開発方針素案には、築地市場と場外市場の業者が長年かけて育んできた「築地ブランド」を切り捨てるなど、多くの重大問題があります。
小池百合子知事が2017年6月に言明した「築地を守る」の約束は一体どうなったのでしょうか。

小池知事が2017年6月に発表した豊洲市場移転の基本方針では、築地市場用地に「食のテーマパーク機能を有する新たな市場」を整備するとし、豊洲に移転した業者が希望すれば築地に戻れるようにすると約束していました。

ところが素案は、この約束を反故にしました。

そればかりか、都心に残された貴重な都有地を「民間の知恵」を募集して再開発し、大企業の利益追求の場に提供するもので、日本設計が都の委託を受けて作成した報告書(2014年)で提案した、高級ホテルや国際会議場、展示施設などの案を取り入れています。

小池知事が「築地を守る」「築地市場用地は売却しないで再開発をする」の約束を反故にした背景には、豊洲市場に進出予定の「千客万来施設」事業者や、自民党、公明党などの要求を受け入れたことがあります。

「東京には国内最大規模の東京ビッグサイトや国際会議場がある。築地に類似施設を造ることが必要なのか」との声や、MICE(国際会議・展示場)施策の名目で大企業に補助金をつぎ込むことが妥当なのかと疑問の声が上がっています。

豊洲市場の整備費は、11年2月試算の3926億円から、6000億円余と1・5倍に膨らみ、市場会計は行き詰まっています。今回打ち出した所管換えの目的は、豊洲市場の巨額投資のつけを都民の税金で肩代わりさせることにあります。

 都はこれまで、臨海副都心開発や土地信託などの不動産事業に手を出しましたが、ことごとく失敗。築地再開発事業の見通しもあやふやです。

 小池知事は、公約に立ち返って再開発方針素案を撤回し、窮地の市場会計を検証するとともに、築地市場解体を中止し、市場業者、都民、築地市場の保存を求める建築関係団体の声を聞いて活用方法を再検討すべきです。(岡部裕三)