再開発で大木1000本伐採 神宮外苑 都計審で承認

共産党反対「都市公園が一変」

国立競技場や神宮球場などがある明治神宮外苑地区(東京都新宿区)の再開発で、約1000本の樹木を伐採・移植する計画が問題になっています。9日に開かれた都の都市計画審議会で日本共産党の里吉ゆみ、原田あきら両都議が再開発計画案について「都市公園を一変させる前代未聞の計画だ」と批判しました。

計画は神宮球場や秩父宮ラグビー場などを移転建て替えするもので、1920年代から育った樹木約1000本を伐採・移植する一方、高さ185メートルと190メートルの超高層ビル2棟や、ホテル付きの新神宮球場、国立競技場よりも高い屋根付きの新ラグビー場を建設する予定です。事業者は三井不動産や伊藤忠商事など。

原田氏は周辺住民らでつくる「神宮外苑を守る有志ネット」の活動や、石川幹子東大名誉教授が調査した樹木の伐採移植の立体模型を紹介。樹木伐採の実態や計画の立体模型など、「審議に必要な資料を求めても拒否するのでは、審議会の体をなしていない」と批判しました。

原田氏は、樹木伐採後に植栽するとした計画案について「100年かけて育った大木の伐採後、芝生や植え込みを植えれば回復したと扱われる。見るも無残な姿になる」と糾弾。継続審議を求める動議を提出しましたが、議長は「議論は尽くされた」と無視。計画案を賛成多数で承認しました。里吉、原田両氏と委員1人が反対しました。

(「しんぶん赤旗」2022年2月12日付より)