放射性廃棄物の輸出批判 / 参院調査会 山添議員が解禁の動き追及

日本共産党の山添拓議員は9日の参院資源エネルギー調査会で、政府が進める放射性廃棄物の輸出解禁の動きについて、政府や原子力規制庁の姿勢をただしました。

山添氏は、東電福島第1原発など多くの原子炉が今後廃炉になると指摘。その際生じる放射性廃棄物は国内処分が原則とされ、海外輸出の例もなかった一方で、「エネルギー基本計画」では、国内処理が困難な大型機器の「必要な輸出規制の見直しを進める」と明記したと追及しました。

資源エネルギー庁の松山泰浩電力・ガス事業部長は「円滑に廃炉を進めるために必要な見直しだ」と答弁。山添氏は、電力会社が海外処分の方針を持っていないと指摘し、電気事業連合会会長が2020年7月、当時の梶山弘志経済産業相に「大型金属の海外処理」の対応を求め、米エネルギー省幹部が経産省に日本からの輸出をもちかけたと告発しました。

松山部長が「外交上のやり取りで、答えは控える」と答弁したのに対し、山添氏は「これは輸出というより金を払って受け取ってもらうものだ。米企業は廃炉ビジネスでもうけ、日本の電力会社は“これ幸い”と乗っかるということだ」と批判。輸出の可否について法改正で基準を示すのかとただすと、経産省の風木淳貿易管理部長は「法改正ではなく、運用通達で見直しを検討する」と答えました。

山添氏は「自ら責務としてきた国内処理ができないとみるや輸出に道を開くのは開き直りだ。廃棄物も海外に丸投げし、小型炉の開発などと新たな原発依存を強めるのは言語道断だ」と批判しました。

(「しんぶん赤旗」2022年2月10日付より)