五輪バス乗務員 切々/宿舎環境いぜん劣悪 残業代出るか不安

山添・谷川氏聞き取り

バスデポを視察する(左から)あきま台東区議、山添参院議員、谷川予定候補=25日、東京都江東区(写真提供:しんぶん赤旗)

東京五輪・パラリンピックの関係者を運送するバス乗務員の実態を把握しようと、日本共産党の山添拓参院議員と谷川智行衆院東京4区・比例予定候補、あきま洋台東区議らは25日、江東区若洲にあるバスデポ(車庫)を周囲などから視察し、乗務員から聞き取り調査をしました。

バス乗務員は都内や埼玉県内にある宿舎からシャトルバスで葛西(江戸川区)デポで運行指示を受け、若洲デポで待機します。

バスは選手やメディア関係者などを運送します。若洲デポでは全国のバス数百台が24時間ひっきりなしに出入りしています。

渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターに泊まるAさんは、トイレ、洗面所、シャワー室の共同使用は改善されず、「混雑するときは逃げます」。消毒液が出入り口の1箇所しかなく「せめて各所に消毒液を置いてほしい」と要望します。

埼玉県和光市の税務大学校の寮に泊まるBさんは、バスタオル、シーツ、フェイスタオルなどリネン類の交換が5日おきだといいます。部屋にテレビなし、3食なし、酒類も禁止。PCR検査も毎日ではなく「ホテルに代えてほしい」と訴えます。

Aさんは宿泊所を出勤してから戻るまで約12時間労働です。残業代を会社が持ってくれるのか「不安だ」といいます。Bさんは「請負会社からの運行指示が毎日違っているなど混乱している。なんとかしてくれ」と憤りました。

(「しんぶん赤旗」2021年7月27日付より)