参院憲法審 改憲“呼び水”を批判/国民投票法改定案で山添氏

質問する山添拓議員=26日、参院憲法審査会(写真提供:しんぶん赤旗)

日本共産党の山添拓議員は26日、参院憲法審査会で、新型コロナ感染症の危機の下で国民の望まない改憲論議を急ぐ自民党の姿勢と、国民投票法改定案を改憲論議の“呼び水”としていることを批判しました。

山添氏は、自民党の下村博文政調会長が自民党の改憲4項目の一つの緊急事態条項に触れて「今回のコロナをピンチをチャンスととらえるべきだ」(3日)と発言したことをあげ、改定案発議者の認識をただしました。中谷元・元防衛相は「(発言は)やや配慮に欠けていた」と答弁。山添氏は「やや配慮に欠けたどころの話ではない。発言は不謹慎だと認めるべきだ」と指摘。憲法に緊急事態条項がないことではなく、やるべきことをやらない菅政権のコロナ対応こそ問題だと批判しました。

山添氏は、メディアの世論調査で優先的な政策課題に改憲を選んだ声は8%だと指摘。自民党の船田元・衆院議員は、改憲が国民世論の優先課題になっていないことを認め、「反省しないといけない」と述べました。山添氏は「改憲論議を急ぐのは“火事場泥棒”と言われても仕方ない」と強調しました。

山添氏は、国民投票法改定案を憲法改定議論の「最初の一歩」とする菅首相のメッセージを挙げて、「法案は改憲論議を進めるための“呼び水”なのか。行政府の長である首相が国会での改憲論議をあおること自体、憲法尊重擁護義務に反する」と厳しく批判しました。

(2021年5月27日付「しんぶん赤旗」より)