工事との因果関係説明なし/外環道陥没 事業者に住民怒り

陥没事故の説明会に参加する住民ら=6日、東京都調布市(写真提供:しんぶん赤旗)

危機感ない・原因答えない

東京都調布市の東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事付近で住宅街の市道が陥没した問題で、東日本高速道路(ネクスコ東日本)など三事業者が6、7日の両日、市内で住民説明会を開きました。報道陣には非公開で住民85人が参加。住民らは怒りや不安を同社にぶつけました。(遠藤寿人)


「ネクスコは陥没事故が起きたのに態度が何も変わっていない。危機感がない。因果関係の説明もなかった」―。参加した住民は怒りを口にしました。

ネクスコ東日本によると説明会は、陥没現場周辺に「お知らせ」(1000部)を配布した住民が対象。

陥没は10月18日、同市東つつじケ丘で発生。長さ5メートル、幅3メートル、深さ5メートルの穴が開きました。地下では、外環道のトンネル掘削機が9月14日に通過。今月4日には陥没現場近くの地中に、長さ30メートルの空洞が見つかりました。

参加した住民によると、事故と工事との因果関係は説明されませんでした。

陥没の近所に住む50代男性サラリーマンは「原因がまったく説明されなかった。納得いかない。はっきりものを言わないし書面での回答も約束しない。お役所仕事だ」と憤然と立ち去りました。

「聞いているだけでむかむかした」と激怒する住民(73)。「ネクスコは陥没事故があったのに緊張感がない。原因についての答えもなかった。人が命を落とさなかった、だからいいんじゃないか。そんな感じだった。またきっと事故が起きると思う」と興奮して話します。

陥没現場から10数メートル離れたところの住民(64)は「最初から因果関係と結びつくようなことは絶対に言わないとネクスコ東日本、ネクスコ中日本と国交省が三者で協定していたような感じ。地下深くの工事を可能にした大深度法を使用している事業を続けられる状況じゃないとの質問もはぐらかした。怖い」と語りました。

(2020年11月8日付「しんぶん赤旗」より)