都知事選 18日告示、7月5日投票 都民を守る都政つくろう

各野党と市民が共闘へ

 都知事選(7月5日投票)は、18日の告示が目前に迫っています。出馬を表明した日本弁護士連合会元会長の宇都宮けんじさんの当選へ、市民と野党が幅広く共闘してたたかうことが決まりました。反貧困など暮らしをないがしろにする政治を変える運動に取り組んできた宇都宮氏とともに、「都民一人ひとりの雇用、営業、住まい、生活、命を守る」都政を実現しようと取り組みが広がっています。
 3日に千代田区内で開かれた、市民と野党の共闘で小池都政の転換を求める「呼びかけ人会議」の会合には、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党、新社会党、緑の党の、野党各党の代表が集まりました。
 立憲民主党の長妻昭都連代表は、「自己責任を言い過ぎた政治のツケがいま回ってきたのではないか。コロナ危機のもと、弱いところにしわ寄せがされている」と指摘。「宇都宮さんは、(リーマンショックの時の)年越し派遣村の名誉村長も務められ、貧困、格差、社会の矛盾に文字通り、命懸けで取り組んでこられた。多くの都民が、これではまずいと気づいた今、宇都宮さんを応援し、東京都、ひいては日本に新しい価値観を花開かせたい」と決意を語りました。
 共産党の小池晃書記局長は、「宇都宮都知事実現のため、できるだけ幅広い共闘体制をつくり上げよう」と呼びかけ。「都政を財界奉仕の新自由主義政策から転換することは、ポストコロナの社会、自己責任から抜け出し、お互いに支えあう社会を築いていくうえでも大きな意義を持つ。そして、首都の知事選での勝利は、暴走と迷走を続ける安倍政権への決定的な審判にもなる」と訴えました。
 社民党、新社会党、緑の党の代表も、宇都宮氏の応援を表明しました。多くの野党が宇都宮氏支援でまとまり、本格的な市民と野党の共闘で知事選をたたかう構図が固まりました。
 会合の後半には、宇都宮氏が駆け付けて登壇。「各党のみなさんが応援してくれたことは、大変心強い」と述べ、「今回の都知事選は都民の生存権を守る選挙」として、緊急の3課題と重視する8課題の政策を語り、決意を表明しました。

不十分なコロナ対策

 小池百合子都知事は近く、出馬表明すると見られます。
 コロナ禍が今後も数年間にわたるとの予測も出るなか、都政の流れを転換し、都民の命と暮らしを守る都政の実現が鋭く問われる知事選です。
 感染拡大防止と経済活動再開の鍵を握るPCR検査の大幅な遅れや都民生活、営業への支援など、小池都政のコロナ対策の不十分さも争点です。
 4年前、都政の転換を求める都民の期待を集めて誕生した小池都政は、1年ももたずに自民党との対決ポーズを投げ捨て、介護離職や残業、満員電車など「7つのゼロ」の公約もほとんど達成していません。
 都議選で掲げた「築地を守る」の約束も、守りませんでした。
 小池都政を転換し、ポストコロナ時代に求められる、都民の命や暮らしを大切にする新しい都政の実現を求め、宇都宮氏への期待が広がっています。
 革新都政をつくる会は8日、臨時総会を開き、知事選へ宇都宮氏を推薦する方針を決めました。

宇都宮氏の訴え 輪を広げ戦い抜く

 コロナ問題は、世界的にも、日本社会に対しても、これまでのあり方の問題点をあぶりだしています。人々の生存権、人権よりも経済効率性を優先する社会がずっと続き、その脆弱性が今回の問題であらわになりました。社会的、経済的に困難を抱える人に大きなしわ寄せがされています。
 リーマンショックの際、私たちは年越し派遣村の活動をしましたが、今回の危機はもっと底が深く、社会的に広い影響を与えています。
 今回の都知事選は、都民一人ひとりの生存権がかかった選挙です。都民一人ひとりの雇用を守る、営業を守る、住まいを守る、生活を守る、そして命を守り切る、そういう都政を確立するための都知事選です。党派を超え、コロナ危機の被害を受けた、保守、無党派の人にも参加してもらい、都政を転換する運動を展開してこそ勝利できます。
 今日、各政党から「支援する」という心強い発言を聞けました。私たちの仲間も喜んでいます。選挙は一つの運動です。運動の輪を大きく広げてたたかい抜き、勝利したいと思います。