【朝鮮人虐殺追悼式典】異例の「誓約書」要求/都は撤回を 市民訴え

オンライン署名3万人分提出

関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼するために、東京都墨田区・横網町公園で40年以上開催されている式典をめぐり、小池都政が公園の使用許可にあたって異例の「誓約書」を式典実行委員会に求めていることが大きな問題になっています。

このことに抗議する市民が11日、「誓約書」撤回を求めてオンラインで集めた署名3万1,846人分を東京都庁へ提出しました。

問題の「誓約書」は、“支障がある行為は行わない”など、公園使用にいくつかの条件をつけ、守れない場合には式典が中止や不許可になっても「異存ありません」とする内容です。
この原因は、朝鮮人虐殺を否定する排外主義団体「そよ風」が2017年から追悼式と同時間・場所で集会を開き、式典会場に拡声器を向けてヘイトスピーチを繰り返していることです。

署名では、「差別は許さないと言うべき行政が、差別団体にヘイトスピーチを行う場を与え、目の前でヘイトスピーチが行われていても、制止することもしない」と指摘。
「追悼式典は、このような条件をつけられずに、さらに妨害を受けずに行われるべきです」として「誓約書」の撤回を求めています。

署名は、都内に住む日本語教師の男性(42)が個人で呼びかけました。
2018年に、川崎市で排外主義団体が繰り返しヘイトスピーチを行っていることを知り、差別は許せないと行動するようになったと言います。
「小池百合子都知事は、在日コリアンへの差別と歴史修正主義に加担しないでほしい」と語りました。

(2020年6月12日付「しんぶん赤旗」より)