参院選 いきいき 対談 希望広げた共闘の深化

2019年8月8日

共産党の存在感大きく 声なき声届け続けたい
小池 晃さん(59)
吉良よし子さん(36)
 参院選(7月21日投票)は、改憲勢力が参院で3分の2の議席を割るなど、市民と野党の共闘の発展で大きな成果を生み出しました。東京選挙区で再選を勝ち取った日本共産党の吉良よし子さん、東京を活動地域に比例候補としてたたかった小池晃同党書記局長が語り合いました。

 ―参院選の感想を聞かせてください。
 吉良 今回は「希望を語る」ということで、政権批判にとどまらず、希望を語り抜き、政策の展望を示そうという訴えが有権者にマッチして、広がりを感じる選挙だったことが一つです。
 もう一つは、「あなたの声が、その一票が政治を変える力です。声を聞かせてください」と訴え続け、たくさんの声を聞くことができた選挙でした。子どもが3人兄弟で、お兄ちゃんが弟たちのために進学をあきらめようとしているという声を聞いたり、(性暴力反対の)フラワーデモの声を届けてくださいと涙ながらに握手をしてくる女性がいたり。この声を届ける活動を続けたい、続けなくてはという思いでいっぱいです。
 小池 全国を回るなかで、3年前の参院選、2年前の総選挙と比べても、市民と野党の共闘が、質的に大きく変わったことを実感しています。3年前はまだぎこちなさのある共闘だったし、総選挙は「希望の党」の動きなど混乱のなかで共闘を守り抜くぎりぎりのたたかいでした。今回は、地に足がついた共闘ができた。
 一人区だけでなく、東京のような複数区でも、広範な市民のみなさんが、応援弁士に立ったり、「比例は共産党」と訴えてくれました。

共同街宣のように
 吉良 東京では、最終盤に佐高信さん(評論家)が応援に来てくれて、驚きました。「民主主義を守り、憲法を次の世代に手渡す選挙」と熱く訴えられて。6年前なら、佐高さんが私の応援に来てくれるなんて、考えもしなかったことです。
 小池 東京で印象的だったのは、最終日のことです。デッキカーで回っているとき、新宿駅の東南口に行ったら、立憲民主党で当選したLGBT(多様な性)の当事者の石川大我さんが、宣伝されていました。
 いったん止めて、短時間、私たちが宣伝させてもらって。吉良さんがLGBTの問題などを訴えると、石川さんの運動員の人たちが、声援を送ってくれる。最後に、私が「石川さんもご健闘を」と言ったら、「わー」って盛り上がって。なんだか、共同街宣のようで、ああいう感じは今までにないものですね。

10ポイントの差が
 ―共闘の発展ですね。
 小池 今までの共闘は、「共産党は一歩引いて、支える」みたいな面もありましたが、今回は共産党の存在感がすごく大きくなり、政策的にも、論戦のうえでも、運動の面でも引っ張る役割を果たしました。共産党がいないと成り立たない共闘だったと思っています。
 今回、マスコミの一人区の情勢調査で投票先を聞くとき、「無所属の〇〇さん」「〇〇党の〇〇さん」に投票しますか、と聞くよりも、「野党統一候補の〇〇さん」に投票しますか、と聞くほうが、支持率が10ポイントくらい高いという話が選挙中に伝わってきました。
 吉良 すごい。
 小池 国民民主党は、それを受けて、党本部が候補者に、野党統一候補と強調するよう指示を出したそうです。選挙期間中、野党で一緒に候補者がポスターに貼る「野党統一候補」のシールも作成しました。これも、国民民主党の提案でした。
 共闘のなかでの共産党の存在感が大きくなって、従来あった「共産党が共闘に入っていると票が逃げる」といった議論は影を潜めて、共産党も含めた野党統一候補だからこそ、魅力があるとなりつつある。それが、この3年間の共闘の深化の大きな点です。選挙が終わった後も、さまざまな党の関係者、市民のみなさんから、共産党への感謝の言葉を聞きました。

東京の状況変えた
 ―選挙結果に、どんな反響がありますか。
 吉良 改憲勢力が3分の2を割ったことへの喜びは、あちこちで聞きます。例えば、私と同じ高知出身の「関東高知県人会」のメンバーで共産党は嫌いだと言われていた方々の中にも、「実は吉良さんに入れた」とか、「知り合いにとにかく吉良だって訴えたんだ」という人がいて。中には「あなたしかいないんだ。憲法を守れるのは」と語ってくれる人もいました。
 小池 さすが、「自由は土佐の山間より出ず」の、自由民権発祥の地ですね(笑)。
 吉良 以前、務めていた会社の元上司も、メールをくれました。「吉良さんの訴えは、6年間の実績を訴えながら、次の課題を示しているのがすごくよかった。活躍を期待します」って。「あなたの声を政治に届け、政治を動かし、社会を変える」、共産党が果たしている役割への信頼感の広がりを、こういう反響から感じました。
 小池 選挙結果は、みなさん喜んでくれていますね。もちろん、比例が4議席にとどまり、仁比聡平さんの議席を失ったこと、大阪でたつみコータローさんの議席を失ったことなど、党内外とも残念という思いはあります。
 しかし、改憲勢力3分の2を割らせて、安倍改憲の戦略を狂わせた。それから、自民党が参院で単独過半数を失った。市民と野党の共闘で、こういう政治の局面を変える結果を出したというのは、ある意味、初めてです。今後にとって大きな意味を持つ歴史的な結果だし、次の戦いへの足掛かりを作ったのは間違いないと思います。
 それから、吉良さんが東京で2回連続、70万票を超え、圧勝と言ってよい結果を出した。野党候補者では、吉良さんが一番の得票です。共産党の存在感を示し、東京における政党間の力関係を大きく変える結果であることは間違いありません。