【米軍横田基地】オスプレイ自宅近く空中停止 家揺らし、体にしびれ~住民が告発

在日米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)内で米空軍特殊作戦機CV22オスプレイが民家から数10メートルの地点でホバリング(空中停止)を行っていることが、近くに住む男性の撮影で判明しました。

住宅のすぐそばでホバリングをしている米空軍特殊作戦機CV22オスプレイ=9月7日午後6時ごろ、東京・横田基地(住民提供、Web版「しんぶん赤旗」より)
男性の計測では騒音が昼間の室内で約100デシベルと、環境基準を大きく超えています。

爆音 電車通過時並み

動画は同基地の近くに住む40代の男性が8~9月にかけて撮影し続けたもの。
オスプレイがゆらゆらと空中に浮かぶと、周りの木々は大きく揺れ、地面の芝は風圧で激しくなびいています。

別の動画は、オスプレイの音に気が付き家の中からカメラを回すところから始まります。
窓を開けると目線の高さにホバリングするオスプレイが。風で電線が大きく揺れています。

わずか数10メートル先で繰り返されるホバリングに男性は「苦痛だ」と訴えています。

会話できない

オスプレイと住宅の距離を男性は「石を投げればぶつかるような距離」と表現。

「オスプレイの低音は異質です。10分間ホバリングされると、オスプレイが飛び立ったあとに体にしびれる感覚が残ります。C130輸送機とは全然違う」と語ります。

男性によると、今年7月ごろから頻繁にホバリングを行うようになりました。

午後4時すぎからが多く、家族との会話やテレビの音を聞き取ることができなくなるため、テレビ用のヘッドホンを購入しました。

振動でソファや照明、家全体が揺れるのが分かると言います。

「仕事の関係で早く寝たいときがあるのに眠れないこともある。来る時間や終わる時間が分からないことが精神的に一番まいる。イライラすることも増えた」と疲れ切った様子でした。

男性がスマートフォンのアプリケーションで騒音を計ると、屋外で110デシベル、室内で95~100デシベルを記録しました。

環境省によると、居住用地域の昼間の環境基準は55デシベル以下。
特例として国道などの「幹線交通を担う道路に近接する空間」は70デシベル以下(昼間)が基準とされています。
100デシベルは電車通過時のガード下並みの騒音です。

いいなり政府

男性が防衛省に問い合わせると「その場所でのホバリングの事実は確認していない」「オスプレイはC130より静かだ」などと回答し、男性は「とにかく防衛省はここに来て実態を知ってほしい。C130より静かだなんてことはない」と憤ります。

男性は「オスプレイが飛ばなくなるのが一番良いが、いまの米軍いいなりの日本政府を見ていると、何もしてくれないとしか思えない」と語ります。

「配備撤回直ちに」この問題で防衛省に要請した日本共産党・宮本徹衆院議員の話

宮本徹・衆議院議員
宮本徹・衆議院議員
動画を防衛省の担当者にも見てもらい、同省から米軍に住民の要望を伝えると言います。
住宅の目の前で、人間らしい生活ができないような爆音をまき散らすオスプレイは直ちに配備を撤回すべきです。
訓練を中止せよと言えない日本政府は情けない限りです。

(2018年11月14日付「しんぶん赤旗」仁田桃記者の記事より)