小池百合子東京都知事は24日、９月１日の「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」実行委員会に対し、昨年に続き同式典に「追悼の辞」を送付しないと正式に通告しました。
小池知事の通告を受け、、同実行委員会は同日、知事の対応に強く抗議し、考え直すよう求める抗議声明を出しました。
同式典は、1923年の関東大震災で、デマが飛ぶ中で、軍隊、警察、市民らによって多数の朝鮮人、中国人、社会主義・共産主義者らが虐殺されたのを追悼するもので、1973年に墨田区横網町公園に追悼碑が建立され、式典が行われて以降、歴代都知事が追悼の辞を送ってきました。
実行委員会は抗議声明で「二度と同じ過ちを繰り返してはならない、忘却は再び悪夢を生む」との思いから送付を求める署名が集まり、総計で9,200人分の個人署名が寄せられたと紹介。
韓国人・朝鮮人からも多数の署名が寄せられたとして、人々の声に背を向ける知事の姿勢を批判しました。
また、災害時に民族差別的なデマが出回ることは現在の社会問題でもあり、朝鮮人虐殺が提起している問題は過去のものではなく、過去の誤った歴史上の事件や事実を忘却することは、現在の過ちを誘発する恐れがあると指摘しました。
（2018年８月25日付「しんぶん赤旗」より）