関東大震災 朝鮮人虐殺「都知事は追悼文復活を」市民団体など宣伝

関東大震災(1923年9月1日)のときに虐殺された朝鮮人を追悼する式典(東京都墨田区)に昨年、小池百合子都知事が送らなかった追悼の辞を、今年の式典に送るよう知事に求める市民団体が18日、千代田区有楽町で街頭宣伝と署名を行いました。取り組んだのは「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」などです。

関東大震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者に追悼文を送るよう小池知事に求める街頭宣伝をする人たち=18日、東京都千代田区(「しんぶん赤旗」提供)
「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「暴動を起こしている」などのデマで、軍や警察、自警団によって朝鮮人や中国人、社会主義者などが殺されました。

強い日差しの下、小池都知事に対し追悼の辞を送るよう求める署名やビラを手に宣伝しました。スピーチでは歴代都知事が追悼の辞を寄せてきたことなどや、歴史の事実に向き合うよう訴えました。

日朝協会の石橋正夫会長は朝鮮半島をめぐる情勢は大きく変化しているとし「日本と一番近い朝鮮半島の国々と理解を深め、友好を進めることこそ求められており、歴史修正主義者に追随する態度を変えるよう強く求める」と述べました。

日本共産党の原のり子都議は、近年の自然災害時も外国人のデマが流れたと言い、「根底にある差別意識をなくすことが重要だ」と述べました。

「店にビラを置きたい」と申し出た杉並区でライブハウスを経営する男性(60)は「歴史で起こったことを無かったことにする動きは地方政治も最近の国政も共通していますね。とても恥ずかしいことだと思います」と話しました。

(2018年7月19日付「しんぶん赤旗」より)