築地工事 廃棄物処理法のがれ 都も否定できず

2018年7月5日

築地工事 廃棄物処理法のがれ 都も否定できず
 都議会第2回定例会は、代表質問(6月19日)と一般質問(20日)を行い、日本共産党は代表質問にあぜ上三和子都議(江東区)、一般質問に、とや英津子都議(練馬区)が立ち、小池百合子知事をただしました。

都議会定例会 あぜ上三和子都議

築地市場守れ
 あぜ上三和子都議は、小池知事が昨年都議選前に「築地を守る」と公約したのに、知事が設置した「築地再開発検討会議」の報告書に、築地の市場機能も仲卸にも言及していないと指摘し、「公約違反だ」と批判。今後、都が検討する行政としての築地の「まちづくりの方針」の策定にあたっては、市場業者の参加を保障し、築地の市場機能を守る検討を行うよう求めました。
 小池知事は「仲卸業者の要望なども踏まえながら検討する」と答弁しました。

解体計画は中止を
 小池知事は豊洲市場開場後、すぐに築地市場を解体し、オリンピックのための駐車場をつくるとしていますが、その解体工事では基礎杭を撤去せず、埋めたままにする計画です。しかし、廃棄物処理法は基礎杭を埋めたままにすることを原則禁止にしており、都の対応は同法に抵触する恐れがあります。
 
 あぜ上都議は、こうした問題を明らかにした上で、地下埋設物を埋めたままにすることで、土壌汚染対策法に定める土壌汚染対策も先送りにし、五輪に間に合うよう解体工事を急ぐためのものだと指摘。「行政として、法の趣旨を歪めるような脱法的な対応はあってはならない」と批判しました。
 
 さらに「知事が『築地は守る』というなら、歴史的建造物でもある築地市場のアーチの建物を解体することなど許されない」とのべ、解体計画の中止を厳しく求めました。
 
 村松明典市場長は、土壌汚染対策逃れの対応であることを否定できませんでした。

児童虐待対策
 目黒区のアパートで3月、船戸結愛ちゃん(当時5歳)が死亡した事件について、あぜ上都議は事件の検証や児童虐待防止対策などについてただしました。
 
 小池知事は、結愛ちゃんが香川県から都へ転居したときの情報共有のあり方や、家庭訪問をした際に拒否的だった保護者への関わり方について「児相の対応に課題があった」とし、「検証したい」と答えました。
 
 児童相談所に配置されている児童福祉士司の配置基準は、人口4万人に1人を基本とし、虐待対応件数に応じて上乗せされることになり、来年4月から本格実施されます。この基準を満たすよう求めたのに対して、梶原洋・福祉保健局長は必要となる児童福祉司が363人となると答え、あと90人増やす必要があることが明らかになりました。
 
 各党の代表質問への答弁で、小池知事は、保護者との関係づくりに苦慮する児童相談所関係者向けに都独自の行動指針や、児童虐待防止をめざした都独自の条例を新たに制定する考えを示しました。
 
待機児解消
 あぜ上都議は、育児休業中や認可外保育施設入所などの「隠れ待機児童」を合わせると、待機児童数が2万人を超える都議団の調査結果を紹介。待機児童ゼロに向け、認可保育園の増設をさらに重視して進めるよう求めました。小池知事は「認可保育所をはじめとする多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援していく」と答弁。「認可保育所をはじめとする」という答弁を初めて行いました。
 
国保の負担軽減
 あぜ上都議は負担増が繰り返される国民健康保険料(税)について、低所得者ほど負担が重くなることを示し、子どもの均等割分の保険料の負担軽減に取り組む区市町村への支援を提案。小池知事は「子育て支援の観点から、子どもにかかる均等割保険料を軽減する制度を設けるように、国に対して要望している」と答弁しました。