若者の力で改憲とめよう 憲法集会に1100人

2018年6月21日


 「日本中の若者と力を合わせて、安倍政権も、9条改憲も終わりにしよう」―全国の若者が3日、東京に集まり、分科会や集会、デモなどを終日、繰り広げました。実行委員会などが開く若者憲法集会と、同集会が若者グループ「未来のための公共」と共催し、2200人が参加した新宿デモです。参加した中央大学の佐藤芳樹さん、分科会で語り合った高校生の思いを紹介します。
 
「全国で運動、燃えた」
 「4年間、若憲(若者憲法集会)に参加し続けて来たけど、今回が一番感動しました」―1100人が参加した若者憲法集会メーン集会(上野公園野外ステージ)に、中央大学4年の佐藤さんが、声を弾ませました。
 
 集会では、各地の若者が横断幕などをもって登壇し、憲法を守る自身の取り組みについて発言しました。「全国で活動している人たちの思いがまっすぐに伝わってきた。みんなで声を上げているんだと感動的だった」(佐藤さん)。
 
 佐藤さんらは中大で、Protect9(安倍9条改憲に反対する中大生の会)という学生有志の会を昨年11月に結成。若者憲法集会に向けても、プレ企画の学習会や、昼休みを使った改憲反対の宣伝、3千万人署名集めに取り組みました。 
 佐藤さんが初めてデモに参加したのも、「1年生の時の若憲」だったと言います。ちょうど、安倍政権が安保法制を強行しようとしていた時期(2015年)で、「夏休みには国会前に週7日、通って反対の声を上げた」こともありました。それでも、安保法制は強行され、「こんなに声を上げている人がいるのに、なぜ通ってしまうのか、信じられなかった」といいます。
 
 それでも、あきらめず、9条を守りたいと運動を続けてきた4年間。「今回の若憲で、全国に、そういう人たちがたくさんいるんだと、実感しました。1年生など新しい人たちも加わっている。綿々と思いがつながっているんだと、熱い気持ちになった」(佐藤さん)。
 
 メーン集会のトークセッションでは、小森陽一東大教授が、3千万人署名を集め切る意味を「改憲発議に賛成したら、次の選挙で『あなたは国会に戻させない』と突き付けること。必ず、3千万人やり切ろう」と呼びかけました。佐藤さんは、「小森さんの言葉で、まさに今、改憲をめぐるたたかいが、せめぎあっているんだと気持ちが燃えてきた」と、大学内でさらに運動を広げようと決意しています。(荒金哲)
 
高校生討論 9条で白熱
 「18歳選挙権が始まって、私たち一人ひとりの声が力になる。きょうはみんなで学んで楽しい会にしましょう」
 埼玉の高校生分科会実行委員長のあいさつに、北海道から、熊本からと集まってきた67人の参加者が熱いまなざしを向けました。
 
 ぎっしりと満員。熱気がこもった会場で弁護士の菊地智史さんの、「憲法と9条について」と題するミニ講演が始まりました。
 菊地さんは、9条がなにを禁じた条文か、一人ひとりが自分の意見を持ってほしいと提起。条文に対する複数のとらえ方を示し、自衛隊を9条2項に明記する改憲案について、説明しました。
 
 グループ討論は白熱しました。
 「9条にいろんな解釈があるなんて驚いた」という声。「必要最小限度の自衛のための戦力を保持することは許されると思う」という意見が出されたのに対し、広島県の高校生は、「では、どこまで武力を持ったら安心できるか。まさか、核兵器ですか」と反論。これを機にこのグループでは、「武力を持てば安心か、それとも、武力は恐怖を生むか」という話し合いが続きました。

 身近に基地がある地域の高校生は、自衛隊や米軍の親を持つ友人のことを語りました。
 
 「横須賀には米軍兵士との間に生まれたハーフや、親が自衛隊員の子どもがたくさんいます。その中の2~3人が、父親の今後が不安だと言ってくるんだ」
 
 最後に、平和にするために、なにが必要なのかを色紙に書きました。
 
 「アメリカより、アジア外交が上手な人が上に立ってほしい」「平和的立憲民主主義を(自分が)提唱する」「人を思いやる想像力」「信頼」「外交」「話合い」「I」(愛)などなど。
 
 活動報告で「核兵器廃絶国際署名を、確信を持って広げてきた」と話した東京の高校生は、「全国の高校生の意見をたくさん聞けて、とても面白かった。励みになります。広島で開かれる高校生平和集会が楽しみです」と話しました。
(内田惠子)
 
 
若者の力で改憲とめよう 憲法集会に1100人
 
若者の力で改憲とめよう 憲法集会に1100人