【新春随想】名曲の数々は平和の謳歌~田村智子・参院議員

田村智子参議院議員
田村智子 日本共産党副委員長・参議院議員
元日宣伝の後、長野県小諸市の実家で両親と過ごしました。

季節や日時の感覚がなく、食事をしてもすぐに忘れてしまうなど、夫婦二人暮らしは限界に近づいているのですが、2人とも要介護1との認定。

つまりは「自宅で頑張れ」ということです。

この上、ホームヘルプサービスの取り上げなど、ほんとにありえない!

2人とも歌うことは大好き。
父のお気に入りは灰田勝彦の曲。私もCDを買って、ヨーデルの技法が見事な「アルプスの牧場」など軽やかな歌声に魅了され、同時にこの人が軍歌を歌っていたとはと驚きました。

父の一番のお気に入りは「鈴懸(すずかけ)の径(みち)」。
歌い終わるとしみじみと「戦争中は軍歌ばかりでね。ラジオからこの曲がかかった時は嬉しくて、ああ戦争は終わったんだと」と、何度も話してくれます。

イラク戦争を米国が起こした時、米国のラジオ局は180曲もの放送自粛を決め、「イマジン」も「明日に架ける橋」も放送されなくなったと言います。

戦争は、戦地で命を奪い街を破壊する。
そして戦地から離れた母国でも歌を奪い、自由を奪う――。

戦後の名曲の数々は平和への謳歌(おうか)なのだという思いがこみ上げます。

(1月6日付「しんぶん赤旗」より)