「福祉などで一定前進」
都予算案賛成 共産党が理由表明

討論に立つ和泉なおみ議員=28日、都議会予算特別委

東京都議会予算特別委委員会は28日、小池百合子知事が初めて編成した2017年度一般会計予算案を全会一致で可決しました。日本共産党は是々非々の立場から賛成。一般会計予算案に賛成するのは1978年の美濃部亮吉革新都政以来、39年ぶりです。

共産党は、一般会計の予算組み替え動議を提出しましたが、自民、公明、改革、都民ファースト、生活者ネットが反対し、否決されました。

討論で共産党の和泉なおみ都議は、同党が要求してきた保育園の待機児解消目標の大幅引き上げ、保育士給与の引き上げ、23区内で保育園に用地を貸し出す人への税の減免、都立高校生への給付制奨学金の創設などをあげ、「福祉、教育などで都民要求を反映した施策の一定の前進があった」と評価しました。

その上で、特別養護老人ホーム整備のための用地確保や介護職員の処遇改善などを要求しました。

和泉氏は「多摩格差」解消について、石原慎太郎知事以来、都は取り組んでこなかったが、小池知事が初めて「多摩格差」解消の立場を答弁で表明したことを歓迎するとし、具体的な取り組みを求めました。

一方、問題点も多々あるとして、▽高過ぎる国民健康保険料(税)の減免▽国保料滞納者への強引な徴収促進の中止▽住民の反対が強い特定整備路線や外環道など大型開発の見直し-を求めました。

和泉氏はまた、中央卸売市場会計予算案には、豊洲移転経費が含まれていないことから賛成を表明。豊洲新市場予定地で「地上も地下水も環境基準いかにする」という都の約束が実現できなかった以上、築地市場の豊洲移転は中止し、築地市場の回収、現在地再整備の本格的な検討をすべきだと主張しました。

(「しんぶん赤旗」2017年3月29日付より)