陥没1年 外環道ノー

地下水汚染など懸念 東京三鷹で集会

東京外環道(練馬区ー世田谷間)問題で12日、三鷹市で「調布の陥没事故から1年 今こそ 止めよう!外環道路」集会が開かれました。「市民による外環道路問題連絡会・三鷹」の主催。

松井朝子代表委員は「調布の陥没事故から1年がたち、問題はもっと大きなものになっている。外環道計画を止めて、豊かで幸せな世界をつくるために力を合わせよう」とあいさつしました。

建築家で同会世話人の西島正樹氏が外環道問題を説明。三鷹市の豊かな緑地を支える地下水が外環道の地下トンネルによって変化し、地盤の隆起・陥没や地下水の減少・汚染が起きると指摘しました。また、複数の高速道路をつなぐジャンクションがつくられ、交通量が増えて街並みが大きく変わると話しました。

陥没事故が起きた地元の市民が発言。工事トンネル直上に住む女性は「事業者から地盤改良のために住宅を一度更地にする仮移転か、土地の買い取りを選ぶよう求められている。家には夫が植えた思い出の桜の木が生えているがなくなってしまう。これからどうなるのか不安だ。小さなことでもいいので協力して」と訴えました。

振動で体調悪化続々 調布市民ら証言

東京外環道建設工事の振動被害を訴える住民=11日、東京都調布市

東京外環道(練馬区ー世田谷間)の地下トンネル建設工事で陥没事故が生じた調布市などの住宅街で、振動や低周波音による体調悪化の訴えが相次いでいることが11日、被害住民らが開いた集会で報告されました。

周辺住民で作る「外環振動・低周波音調査会」「外環被害住民連絡会・調布」が主催した集会では、トンネル直上に住む女性が「地表の陥没が起きる昨年9月、下から突き上げるような振動が起き、我慢できないほどだった。何があったかをノートに記録している」と証言しました。

NPO法人市民科学研究室の上田昌文代表が、調布市など沿線住民25人の聞き取り調査結果を報告。「陥没数週間前に、自宅テーブルのグラスが動いた」「食器棚の扉が勝手に閉まる。耳鳴りのような音が1週間続いた」「地震のような揺れで船酔いしたような気分」「昨年8月末からドンドンと音が聞こえ、耐えられないので近くに避難した」などの証言を紹介しました。

上田氏は「シールド工事の時期と、体調悪化を訴えた時期とのそう感が高い。軟弱な地盤で工事が進む場合に、同様の被害が生じる恐れがある」として、スマートフォンも活用した振動の測定や、住民の聞き取り調査でさらに実態を把握していくと述べました。

(「しんぶん赤旗」2021年12月15日付より)