志位委員長が第一声 「準備万端」東京の19区一本化

総選挙公示 31日投票
 「国民の声を聞かない自民・公明政権を続けるのか、野党共闘の力で国民の声が生きる新しい政権をつくるのか」(日本共産党志位和夫委員長の公示第一声)―。総選挙が19日公示(31日投開票)されました。本気の野党共闘の態勢がつくられる中、争点と対決構図が鮮明になっています。野党で一本化した小選挙区(289)は213選挙区、約4分の3に達し、30を超える小選挙区では日本共産党の候補で一本化。東京では25選挙区のうち野党一本化は19選挙区、このうち共産党で一本化したのは3選挙区(いずれも比例重複)です。日本共産党は比例選挙での大躍進と共に、小選挙区での市民と野党の共闘勢力の勝利で、政権交代の実現を目指します。

 小雨が降る中、新宿駅西口には多くの聴衆が足を止め、ライブ配信されたユーチューブでも大勢の人が視聴しました。
 志位委員長は「格差と貧困、国政私物化にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せる訳にはいかない。今こそ力を合わせて政権交代を実現しよう」と強調。「その最大の推進力になるのが日本共産党の躍進です」とのべ、「『比例は共産党』の声を広げに広げ、大躍進させてください」と呼びかけました。
 志位委員長は、日本の政治を変える政策「4つのチェンジ」と市民連合と結んだ政策協定、立憲民主党との合意など、本気の共闘体制をつくってきたことを紹介した上で、「自公政治に代わる新しい政治の姿は野党がしっかり責任をもって示している。準備万端整いました」と強調しました。
 その上で「あなたの一票で政治、政権は変えられます。政権交代をはじめようではありませんか」と力を込め、「政党選択では、ぶれずに誠実に野党共闘発展のために力を尽くしてきた日本共産党を大きく躍進させてください」と訴え、大きな拍手と声援を受けました。

本気で共闘に注目と期待

 市民連合と野党4党(共産、立民、社民、れいわ)との政策合意を基にした共産党と立憲民主党との政権協力の合意後、東京でも候補者1本化が急速に進みました。
 東京8区では、日本共産党の上保まさたけ氏が、政権交代を実現するために自らの立候補を取り下げ、立憲民主党の吉田晴美候補に一本化し、支援すると決意。この決断にネット上では「言葉と行動に感謝と応援をと思う」など、歓迎する多数の発信がありました。朝の街宣では、通りかかった若い女性が「上保さんの決意に感動しました。比例は必ず共産党に入れます」と声をかけてきました。

会見で一本化公表
 日本共産党東京都委員会の田辺良彦委員長は13日、都庁で記者会見し、衆院選で東京15区と23区で立候補予定の新人候補を取り下げ、立憲民主党の候補者に一本化すると発表。15区の小堤東氏は比例に回り、4区から移った立憲元職の井戸正枝氏を支援。4区は共産党新人の谷川智行氏(比例重複)に一本化されました。
 田辺氏は「一人ひとりの予定候補が人生をかけてたたかっているだけに、党としても本人にとっても、立候補取りやめは極めて重い決断。選挙制度上、選挙活動全体に大きなハンディにもなる。しかし野党連合政権の実現という大局に立った判断から最大限の努力をし、決断にいたった」と説明。その上で、比例での110万票以上獲得で3議席の回復と4議席への挑戦、小選挙区での共産党候補と野党統一候補の勝利のために全力を尽くすと表明しました。

共闘で新しい船を 市民と野党がキックオフ

 東京での市民と野党の共闘による総選挙勝利を目指す「新しい船を出そう!市民と野党のキックオフ@東京」が15日、国会内で開かれました。都内各地の市民連合の関係者と、総選挙の予定候補者が集まり、政権交代への決意を語りました。
 立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組、新社会党、緑の党、生活者ネットワークから代表が参加しました。
 立憲民主党の長妻昭副代表は、「各党が根を詰めて、候補者一本化の調整を進め、皆さんの熱い思いを背景に、ここまで来ました。今の汚い政治を、まともな政治に変える。自民党が共闘にいろいろな攻撃をしてくるだろうが、各党の結束をさらに強めたい」とあいさつしました。
 共産党の小池晃書記局長は、自民党の甘利明幹事長が14日に「自由と民主主義の政権か、共産主義が入ってくる政権かの政権選択」と発言したことについて、「野党共通政策のどこに共産主義と書いてあるのか。今度の選挙は、民主主義を踏みにじる政権か、民主主義を守る政権かの選択だ」と強調しました。
 市民連合の福山真劫さんが「岸田自公政権にこの国の民主主義をまかすわけにはいかない。多くの人の努力で新しい政権をつくり出す体制はできた。勝利のために全力をあげよう」と呼びかけました。
 都内で立候補する野党候補が紹介され、それぞれ決意を語りました。

差別と暴力根絶に向けて総選挙に期待

 自分が#KuTooで声をあげてみると、これまで常識だと思っていたことを「おかしい」と感じました。岸田首相がツイッター(短文投稿サイト)に妻を立たせ自分だけが食事する写真を投稿した時は、公式にこういう写真を載せても平気なところにジェンダー平等の観点が抜けていると思いました。
 これでは多様性の容認も夫婦別姓も進みません。男女平等や人権について言及すると「過激」と言う人もいますし、政治も私たちの方を向いていない。自公政権では社会が進歩しないのではないでしょうか。
 コロナ禍以降初の大型国政選挙で変えるチャンス。野党がみんなで現政権を倒す一点で頑張るところからしか始まりません。それぞれ政党間の違いを認め一致している今、共産党には野党共闘の要石として期待します。
 共産党はいち早く、ジェンダー平等委員会を立ち上げて、池内さおり元衆院議員たちが性暴力根絶に力を尽くしていますし、女性議員も多い。性暴力根絶でも、インターネットでの誹謗中傷の問題でも市民運動だけでは限界もあるので、政治の力が欠かせません。差別と暴力根絶に向けて応援しています。

一分

 「これは広告でも政府の放送でもなく、僕たちが僕たちの意思でつくった映像です」▼著名な若手芸能人らが、投票を呼びかける動画が公開され話題を呼んでいます。若い世代の投票率を「そんなに少ないんだと驚いたし、そのなかの一人でもあるよな、俺」と語るのは菅田将暉さん。橋本環奈さんは「まず意思を示さないと」と呼びかけます▼動画は女性に参政権がなく、「自分がこれが好きとかこうしたいとか主張できなかった時代が長くあった」(二階堂ふみさん)現実にも触れています。1945年まで日本の女性には投票権がないだけでなく、政治参加にすらさまざまな制限がありました▼その戦前の日本で、男女普通選挙権を掲げてたたかった日本共産党員の一人が、伊藤千代子です。その生涯を伝える映画が今、急ピッチで撮影されています▼伊藤千代子は治安維持法下で捕まり、拷問を受けた後、24歳で亡くなりました。『漫画 伊藤千代子の青春』を出版したワタナベ・コウさんはツイッターで先の動画を紹介して「先人が命をかけて私たちに与えてくれた権利を行使しよう」と発信しています▼動画は「投票はあなたの声」と呼びかけます。共闘の力で、「あなたの声」こそが政治を動かすことを示す、総選挙です。