科学的知見の軽視改めよ コロナ特委で尾崎都議 医療・検査拡充求める

 都議会は15日、新型コロナウイルス対策特別委員会を開き、小池百合子知事が緊急事態宣言の9月末までの再々延長を受けて、議会を開かずに専決処分した補正予算(2171億円)について質疑しました。日本共産党は尾崎あや子都議が立ち、科学的知見に基づき、重症化を防ぐ対策やいつでも何度でも無料で検査を受けられるなど、検査対策の抜本的強化を求めました。
 尾崎都議は感染拡大を抑止できていない要因の一つに、「様々な要素を総合的に勘案」などの理屈で、専門家の重要な指摘を「重く受け止めない」都の姿勢があると批判しました。

 9日に開かれた都のモニタリング会議で専門家は、「重症患者のための病床は引き続き極めて厳しい状況となっている」「検査が必要な都民が速やかに受検できる体制整備が必要」と指摘しています。
 尾崎都議は、これらの提起に基づき臨時医療施設の増設など「重症化しないための対策」や、検査体制の拡充が必要なのに、今回の補正予算に医療・検査体制拡充の予算が盛り込まれていないとただしました。
 ところが吉村憲彦福祉保健局長は「重く受けとめるとかそういう問題ではない」とまともに取り合おうとしませんでした。福祉保健局の花本由紀担当部長は「10月末までに必要な予算はこれまでの補正予算により確保している」と答弁。尾崎都議は「これまでの対策で十分なように言うのでは、第5波で医療崩壊を起こしたことを反省しているとは言えない」と厳しく指摘しました。

いつでも誰でも
無料の検査を

 尾崎都議はモニタリング会議で「検査を迅速に受けられないことにより、さらに多数の感染者が潜在している可能性がある」との指摘を示し、「いつでも誰でも何度でも無料で検査できる仕組みづくりをはじめ、抜本的な対応が求められる」と強調。子どもの感染急増への対応として、認可保育園や学童保育、放課後等デイサービスなどで「定期的な検査実施や、陽性者が1人出たら全体を検査する取り組み」を提案しました。
 福祉保健局の奈良部瑞枝・少子社会対策部長は、保育所などで陽性者が判明した場合に「施設内の感染を防止するため、速やかにPCR検査ができる仕組みを検討している」と答えました。

協力金支給は
柔軟に

 尾崎都議は、事業者の営業自粛は補償とセットにすべきだと強調。7日の同委員会で都が「事業者から『家賃や給与支払いがあり営業せざるを得ない』との声があった」と答弁したことを示したうえで、都の協力金の支給対象を、宣言が再々延長となった9月13日以降から協力した事業者を対象外としたり、開業日を狭く限定するなどして絞り込まず、拡充するよう求めました。
 産業労働局の米沢鉄平担当部長は「協力金の対象期間は適切だ」と繰り返しました。
 尾崎都議は緊急事態宣言の再々延長に伴う補正予算を小池百合子知事が専決したことを批判。今後は知事とともに、緊急事態措置に関係する所管局である財務局、教育庁の出席も求めました。