「宣言」発出の根拠示し、十分な補償と医療・検査の抜本拡充を/共産党国会議員団が政府要望

政府・与野党連絡協議会。左から3人目は田村智子政策委員長=8日、国会内(写真提供:しんぶん赤旗)

新型コロナウイルス対策について議論する政府・与野党連絡協議会が8日、国会内で開かれ、日本共産党の田村智子政策委員長は、政府による緊急事態宣言の発出を受けてとりまとめた党国会議員団の「政府への要望事項」を提出し、政府に対応を求めました。(「要望事項」全文)


要望事項は、
(1)緊急事態宣言の発出について、科学的かつ具体的根拠にもとづく説明を行うこと
(2)十分な補償と医療・検査の抜本的拡充を行うこと
(3)追加経済対策とこれにもとづく第3次補正予算案を抜本的につくりなおすこと―です。

協議会で田村氏は、緊急事態宣言の発出について菅義偉首相からまともな説明がないとして、「なぜ緊急事態宣言の発出に至ったか。なぜ対象地域が1都3県なのか。期間がなぜ1カ月か、なぜ時短要請は飲食店なのか。これらの科学的・具体的な根拠を菅首相が示すべきだ」と述べ、直ちに菅首相が国会の委員会で質疑に答えるよう求めました。

その上で田村氏は、いまやるべきは医療機関・福祉施設への検査等の抜本的強化、医療機関・保健所への支援に全力をあげることだと要求。医療機関・福祉施設のクラスターが止まっていないとして、「社会的検査」を国の責任で行う必要、医療機関への減収補填(ほてん)などを求めました。

同時に、時短営業が要請される飲食店だけでなく、多大な経済的影響を踏まえ、事業・雇用の維持・持続にむけた補償・支援を求めました。

そのためには、「『宣言』を前提にしていない第3次補正予算案をつくり直すべきだ」と主張。持続化給付金、家賃支援給付金や雇用調整助成金特例措置の継続をはじめ、雇用と事業を守る大胆で大規模な支援策を求めるとともに、年末年始の市民団体、ボランティアの相談活動を踏まえて、生活困窮者を路頭に迷わせない実態にあった制度のさらなる充実が必要だと強調しました。

また、協議会では政府が特別措置法・感染症法の罰則強化を検討していると説明したことについて、田村氏は「誰を罰するというのか。(入院先から)抜け出した患者の例が出されたが、入院したくても入院できないのが現状ではないか。そもそも感染症法はハンセン病の教訓から、患者の人権を守ることが大原則に考えられなければならない」と厳しく批判しました。

(2021年1月9日付「しんぶん赤旗」より)