狙われる横田基地強化/住民が抗議行動

迅速戦闘支援施設を計画/日米演習でも新たな役割

横田基地の撤去を求める座り込み=18日、東京都福生市(写真提供:しんぶん赤旗)

首都東京に居座る在日米軍横田基地(福生市など多摩地域5市1町)のさらなる機能強化が狙われています。26日~11月5日の日米共同統合実動演習「キーン・ソード21」でも、戦争の拠点となる訓練を米軍・自衛隊が一体で実施します。

「横田基地は大変なことになっています。アメリカのいいなりに、中国を敵にして戦争をあおるような訓練が続いています。こんな危険な基地はいらないという声を上げていきましょう」

横田基地の撤去を求める西多摩の会の高橋美枝子代表は18日、横田基地をのぞむ福生市の公園での座り込み行動で訴えました。

今回の演習では、横田基地の米軍C130輸送機2機に空自百里基地(茨城県)から搭乗した自衛隊員約120人と、空自入間基地(埼玉県)から空自輸送機2機に登場した約80人による王城寺原演習場(宮城県)でのパラシュート降下訓練や、横田基地から嘉手納基地(沖縄県)へ物資を空輸する訓練を行います。

空輸訓練では初めて空自C2輸送機1機で米軍の物資を運びます。

 

空輸訓練は「迅速戦闘運用」(Aglie Combat Employment=ACE)と呼ばれるものです。ACEは支援部隊と兵器、資材を空輸し、最前線基地を構築し、戦闘機や爆撃機などを迅速に展開させ、攻撃作戦を行うことを目的にしています。

米軍は今年2月に、米本土の輸送機も参加し日本各地と韓国の基地で、9月には、初めて自衛隊も参加し空自千歳基地(北海道)でACE訓練を実施しました。

横田基地では、「迅速戦闘」を指揮する支援施設をつくる請負業者を募集。「航空自衛隊小会議室」が設置されるなど、日米一体運用を想定したものとなっています。

東京平和委員会の岸本正人事務局長は「横田基地には、自衛隊と米軍の共同作戦調整所がすでにあります。さらに『迅速戦闘』を指揮する施設を置くことは、敵基地攻撃戦略の司令塔の役割を担うことになります。CV22オスプレイ10機体制とともに、横田基地強化に反対の声を上げていきたい」と話しています。(佐藤つよし)

(2020年10月28日付「しんぶん赤旗」より)