介護制度の改変の根拠にされた世田谷区/「そういうことを求めたのではない」と区長が答弁

 東京都世田谷区の保坂展人区長は9月30日の区議会で、厚生労働省が「省令改正」で狙っている介護制度改変の根拠として同区の資料が使われたことについて「そういうことを求めたのではないと、厚労省に対して改めてしっかり伝える」と述べました。日本共産党の江口順子区議の質問に答えました。
 「省令改正」は、要介護度が比較的軽い要支援1、2の人向けに市町村が実施している総合事業について、「本人の希望」と「市町村の判断」を前提に要介護度1~5の人も対象とすることができるようにするもの。厚労省は自治体から要望が挙がっている都市、なかでも世田谷区が同省の検討会に提出した資料を最大の根拠としていました。
 政府や財界は、要介護度1,2を現在の介護保険給付から総合事業に移すことを狙っており、介護関係者からは今回の「省令改正」がその突破口になりかねないと危惧が広がっています。
 保坂氏は、ボランティアなど「住民主体型」の総合事業の利用者のなかに、要支援から要介護に状態が変化した後も総合事業の利用を希望する声があり、「(区の資料は)柔軟な対応をしてほしいということを例示したものだ」と指摘。「すべての要介護者を総合支援(事業)に移行させてくれとは全く考えていないし、言ってもいない」と明言しました。
 保坂氏はまた、要介護者を総合事業に移すことができるようにするのは「改悪だ」と指摘。「(区の資料が)大変大きな制度の議論のなかで普遍化されるというのは、そもそもおかしなことだ」と述べました。

(2020年10月2日付「しんぶん赤旗」より)