【参院予算委】コロナ「GoTo」実施 無謀/山添拓議員 補償付き休業要請早く

質問する山添拓議員
質問する山添拓議員=16日、参院予算委(「しんぶん赤旗」提供)

日本共産党の山添拓議員は16日の参院予算委員会で、東京都を中心とする新型コロナウイルス感染の急速な拡大を受け、「GoToキャンペーン」の全面実施は見送り、検査体制の大幅な拡充や補償付きの休業要請を業種と地域を限定してただちに行うよう求めました。

山添議員は、新宿区のPCR検査スポットの実績では、陽性率が6月末から跳ね上がり、6月のデータでは、陽性率が飲食業(夜間の接客業含む)で31%、無職・フリーター等で23.6%となっていることをあげ、参考人の認識をただしました。

東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダーの児玉龍彦氏は「非常に危険だ。『自己責任』『ガイドラインを守れ』といっても(感染防止は)無理だ。検査システムをつくって、集約的にやり、機械化する。これを今日からすぐやらないと、本当に大変だ」と検査体制の拡充の必要性を強調しました。

また、山添議員が「補償があってこそ休業要請も実効性が確保できるのではないか」と聞くと、尾崎治夫東京都医師会会長は「現行の法の中では、そういった形が一番望ましい」と答えました。

一方、西村康稔経済再生担当相は「一般的な方ではなく、濃厚接触者の陽性率だ」と答弁。

山添議員は「濃厚接触者の範囲でしかPCR検査を行っておらず、本来の感染状況がどこまで広がっているかの全体像すら把握できていないということだ」と指摘しました。

山添議員は、「GoToキャンペーン」を急ぐ危険性に触れ、「現場の苦境を救うためなら、『GoTo』の予算を特例的な持続化給付金に組み替えるなどして、観光業を直接支援すべきだ」と要求。

西村担当相は「専門家の意見を聞いたうえで適切に判断する」としか答えなかったため、山添議員は「決めたことだから変えられないというのは、あまりに無謀で危うい。少なくとも22日からの全面実施は見送るべきだ」と主張しました。

(2020年7月17日付「しんぶん赤旗」より)